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全来訪者 - 本日の来訪者 - 昨日の来訪者 - ゲレロ戦 ポイズンヤードにて H19.12.16 22時30分 党員Lv30~ベテランまでを集い8家門でポイズンヤードに参加しましたw たくさん悲鳴が聞こえる中、救助隊なるものを編成し、 党員達を復活させながら、ゲレロを待つこと5分。 1家門の戦士が現れ聖天使を翻弄していくではないか!!つ・・・・・強い! 私の追加攻撃恐竜98%など相手に効くわけがなく、ひたすら党員に討伐を任せる党首|〃▽〃)ノマカセタ それから、5分後・・・応援にかけつけてくれた党員達と力を合わせ、1家門の戦士をみんなで チクチク攻撃! ^^ノゴメンナサイw なんとか討伐に成功し、次なる敵 ゲレロを待ち受ける! 「ゲレロ出現」 よし! 自慢の金属鎧と盾を身につけゲレロを追い込み、一斉攻撃!!うりゃ~~( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚) む!なかなかHP減らないな?・・・え?HP400万??ΣΣ(゚д゚lll)シマッタ 途中眠りこける党員をよそに、ひたすら追加攻撃恐竜98%でHpを減らす私w 無事ゲレロを倒し、みんなで記念撮影♪!! o(*・∀・)つおめでっと~♪ 次回行くことがあれば、エンジ・カトリを連れて行こうと思わずにいられないイベントでしたw 今回参加してくれた党員の皆様お疲れ様です^^ノ そして、イベントを盛り上げてくれた勇敢な戦士にこの場を借りてお礼申し上げます( -д-)ペコ コロニー戦 ボナビスタ支流にて H19.12.14 22時24分 激闘の末見事コロニーを攻略することができました。^^ なんだかんだで、聖天使は毎回コロニーに参加してます。 今回コロニーを取れたのは運もありますが、党首の活躍が一番・・(ウソウソ (コロニー取得時、バラックで誰使おうか悩んでましたw) 党員の不屈の精神が実を結んだ結果だと思います♪ プw 、、、っとまぁ、弱小であるうちらでも、参加すれば コロニー取れるんだなぁ~っと改めて感じさせられた一日です。 その場に居合わせた敵・味方さん、盛り上げて下さって ありがとうございます^^ 次回のコロニー戦が怖いですが、党員一同頑張っていくつもりです。 blankimgプラグインエラー:ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。
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まぁ//早苗「そりゃそんな娘が訪れる神社に参拝客なんて来るはずないですよね」//霧雨 魔理沙-霧雨 魔理沙-博麗 霊夢-フランドール- 熊虎//美鈴4//紅 美鈴-紅 美鈴-紅 美鈴-紅 美鈴- 熊虎は山札をシャッフルしました。 熊虎 手札12だったw「 まぁ ああw まぁ では 配置:禁忌「クランベリートラップ」 起動:禁忌「クランベリートラップ」 ランダムシーン:茶会 Turn 2 - 熊虎//体力21( 20) 呪力1( 1) 手札7( 6) 山33( 34) スペル0( 1) タイマー00 02(00 38) シーン 茶会 配置:幻符「華想夢葛」 Turn 3 - まぁ//体力20( 21) 呪力1( 1) 手札6( 6) 山33( 33) スペル1( 1) タイマー00 38(00 16) シーン 茶会 手札:光符「アースライトレイ」//ピンポイント//光撃「シュート・ザ・ムーン」//魔空「アステロイドベルト」//空っぽの賽銭箱//迷惑な来訪者// 戦闘:まぁ - 禁忌「クランベリートラップ」(相手スルー) 結果:まぁ - === 2 dmg - 熊虎 配置:魔空「アステロイドベルト」 Turn 4 - 熊虎//体力19( 20) 呪力3( 1) 手札7( 5) 山32( 33) スペル1( 2) タイマー00 16(00 58) シーン 茶会 配置:彩符「極彩颱風」 起動:幻符「華想夢葛」 Turn 5 - まぁ//体力20( 19) 呪力3( 1) 手札6( 6) 山32( 32) スペル2( 2) タイマー00 56(00 27) シーン 茶会 手札:光符「アースライトレイ」//ピンポイント//光撃「シュート・ザ・ムーン」//空っぽの賽銭箱//迷惑な来訪者//魔空「アステロイドベルト」// 戦闘:まぁ - 禁忌「クランベリートラップ」 vs 幻符「華想夢葛」 - 熊虎 結果:まぁ - Dmg 2 2 Dmg - 熊虎 配置:光撃「シュート・ザ・ムーン」 まぁは空っぽの賽銭箱を熊虎のリーダーにつけました。 Turn 6 - 熊虎//体力17( 18) 呪力4( 0) 手札7( 4) 山31( 32) スペル2( 3) タイマー00 27(01 34) シーン 茶会 配置:三華「崩山彩極砲」 熊虎の体力が-1 (16) - 空っぽの賽銭箱 ランダムシーン:人形裁判 Turn 7 - まぁ//体力18( 16) 呪力4( 4) 手札5( 6) 山31( 31) スペル3( 3) タイマー01 31(00 48) シーン 人形裁判 手札:光符「アースライトレイ」//ピンポイント//迷惑な来訪者//魔空「アステロイドベルト」//光撃「シュート・ザ・ムーン」// まぁ えwちょw 熊虎 これはwww まぁ 裏目www 配置:光符「アースライトレイ」 起動:魔空「アステロイドベルト」 熊虎の呪力が+2 (6) - 人形裁判 Turn 8 - 熊虎//体力16( 18) 呪力10( 0) 手札7( 4) 山30( 31) スペル3( 4) タイマー00 48(02 44) シーン 人形裁判 配置:彩華「虹色太極拳」 起動:三華「崩山彩極砲」 熊虎は黄震脚を熊虎の三華「崩山彩極砲」につけました。 起動:幻符「華想夢葛」 熊虎の体力が-1 (15) - 空っぽの賽銭箱 Turn 9 - まぁ//体力18( 15) 呪力4( 1) 手札5( 5) 山30( 30) スペル4( 4) タイマー02 41(01 25) シーン 人形裁判 手札:ピンポイント//迷惑な来訪者//魔空「アステロイドベルト」//光撃「シュート・ザ・ムーン」//恋符「マスタースパーク」// 戦闘:まぁ - 魔空「アステロイドベルト」 vs 幻符「華想夢葛」 - 熊虎 結果:まぁ - Dmg 1 3 Dmg - 熊虎 配置:恋符「マスタースパーク」 起動:禁忌「クランベリートラップ」 まぁは禁忌「クランベリートラップ」を準備状態にしました。 まぁの呪力は今4(+1)です。 起動:禁忌「クランベリートラップ」 熊虎の呪力が+2 (3) - 人形裁判 Turn 10 - 熊虎//体力12( 17) 呪力7( 3) 手札6( 4) 山29( 30) スペル4( 5) タイマー01 30(04 07) シーン 人形裁判 戦闘:熊虎 - 三華「崩山彩極砲」 vs 禁忌「クランベリートラップ」 - まぁ 結果:熊虎 - 回避 5 Dmg - まぁ 配置:彩符「極彩颱風」 熊虎の体力が-1 (11) - 空っぽの賽銭箱 Turn 11 - まぁ//体力12( 11) 呪力9( 2) 手札5( 5) 山29( 29) スペル5( 5) タイマー04 06(01 55) シーン 人形裁判 手札:ピンポイント//迷惑な来訪者//魔空「アステロイドベルト」//光撃「シュート・ザ・ムーン」//夢符「二重結界」// 配置:夢符「二重結界」 起動:恋符「マスタースパーク」 起動:魔空「アステロイドベルト」 ランダムシーン:白玉楼階段の幻闘 Turn 12 - 熊虎//体力11( 12) 呪力7( 1) 手札6( 4) 山28( 29) スペル5( 6) タイマー01 54(04 46) シーン 白玉楼階段の幻闘 戦闘:熊虎 - 三華「崩山彩極砲」 vs 魔空「アステロイドベルト」 - まぁ イベント(熊虎):肉弾戦 まぁは魔空「アステロイドベルト」の1番目の特殊能力を使いました。 熊虎は肉弾戦を場から捨札に送りました。 熊虎 ああ。そうかw 結果:熊虎 - Dmg 1 6 Dmg - まぁ 配置:彩符「彩光風鈴」 起動:幻符「華想夢葛」 熊虎の体力が-1 (9) - 空っぽの賽銭箱 Turn 13 - まぁ//体力6( 9) 呪力6( 1) 手札5( 4) 山28( 28) スペル6( 6) タイマー04 51(02 52) シーン 白玉楼階段の幻闘 手札:ピンポイント//迷惑な来訪者//魔空「アステロイドベルト」//光撃「シュート・ザ・ムーン」//光撃「シュート・ザ・ムーン」// 戦闘:まぁ - 恋符「マスタースパーク」 vs 幻符「華想夢葛」 - 熊虎 まぁは恋符「マスタースパーク」の1番目の特殊能力を使いました。 結果:まぁ - Dmg 2 5 Dmg - 熊虎 配置:光撃「シュート・ザ・ムーン」 起動:恋符「マスタースパーク」 まぁは恋符「マスタースパーク」を準備状態にしました。 まぁの呪力は今5(+4)です。 起動:恋符「マスタースパーク」 Turn 14 - 熊虎//体力4( 4) 呪力8( 1) 手札5( 4) 山27( 28) スペル6( 7) タイマー02 52(06 43) シーン 白玉楼階段の幻闘 配置:幻符「華想夢葛」 起動:三華「崩山彩極砲」 熊虎の体力が-1 (3) - 空っぽの賽銭箱 Turn 15 - まぁ//体力4( 3) 呪力8( 3) 手札5( 4) 山27( 27) スペル7( 7) タイマー06 39(04 24) シーン 白玉楼階段の幻闘 手札:ピンポイント//迷惑な来訪者//魔空「アステロイドベルト」//光撃「シュート・ザ・ムーン」//光符「アースライトレイ」// 戦闘:まぁ - 恋符「マスタースパーク」 vs 三華「崩山彩極砲」 - 熊虎 イベント(まぁ):ピンポイント まぁはピンポイントを場から捨札に送りました。 結果:まぁ - Dmg 2 4 Dmg - 熊虎 熊虎 ありがとうございました まぁ ありがとうございましたー まぁ なんて恐ろしいランシーなんだ・・・! 熊虎 ベルト能力忘れすぎだろ…… まぁ 賽銭箱が相手にプラスになるとか聞いてないw 熊虎 あれなきゃ勝ってたのにw まぁ ww まぁ ベルトの信頼性 熊虎 呪力1だから何もできないよねw とか考えた俺が馬鹿すぎるw まぁ 元が命中5なのに1払うだけで誘導弾 熊虎 太極拳ですね、わかりますw まぁ 何の制約もないんだぜこれ・・・w 熊虎 w 熊虎 では戻ります まぁ はいな まぁ ノシ 熊虎 ノシ
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夏目友人帳をお気に入りに追加 情報1課 <夏目友人帳> #bf 外部リンク課 <夏目友人帳> ウィキペディア(Wikipedia) - 夏目友人帳 Amazon.co.jp ウィジェット 保存課 <夏目友人帳> 使い方 サイト名 URL 情報2課 <夏目友人帳> #blogsearch2 成分解析課 <夏目友人帳> 夏目友人帳の73%は利益で出来ています。夏目友人帳の8%は黒インクで出来ています。夏目友人帳の7%は犠牲で出来ています。夏目友人帳の6%は睡眠薬で出来ています。夏目友人帳の5%は時間で出来ています。夏目友人帳の1%は電力で出来ています。 報道課 <夏目友人帳> 『夏目友人帳』のニャンコ先生 BIGジップトートバッグ、ニャンコ先生 ロングTシャツの受注を開始!!アニメ・漫画のオリジナルグッズを販売する「AMNIBUS」にて - PR TIMES 着てみたいアニメの学生服は? 3位「呪術廻戦」都立呪術高専&「コナン」帝丹高校、2位「ヒロアカ」雄英高校 【男子編】<21年版>(アニメ!アニメ!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ニャンコ先生スケジュール帳2022」がふろくに! 「君は春に目を醒ます」はついに完結! 『LaLa』1月号11月24日発売!! - PR TIMES 起死回生の策は「聖地巡礼」 落ち込んだ観光業、ツアー予約殺到も - 朝日新聞デジタル 憧れの“夫婦”キャラといえば? 2位は「SAO」キリトとアスナ&「クレしん」ひろしとみさえ、1位は… <21年版> - アニメ!アニメ!Anime Anime <すみっコぐらし>劇場版「青い月夜のまほうのコ」 動員52万人突破 2週連続国内動員&興収1位(MANTANWEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 秋に聞きたいアニソンは?「鬼滅の刃」「ラブライブ!」「名探偵コナン」…主題歌や“ハロウィン”アイドル曲も人気♪ - アニメ!アニメ!Anime Anime ニャンコ先生の焼き目が可愛い♪ 『夏目友人帳』ホットサンドメーカー登場! (2021年11月17日) - エキサイトニュース 「夏目友人帳」ニャンコ先生が焼き芋をもぐもぐ♪ アクスタ、Tシャツほか描き下ろしグッズ登場 - アニメ!アニメ!Anime Anime “冬”に見たくなるアニメといえば? 2位「夏目友人帳」「WHITE ALBUM2」「ユーリ!!!」、1位は…【#立冬】 - アニメ!アニメ!Anime Anime 「夏目友人帳」ニャンコ先生と入浴気分が味わえる“極楽湯”コラボ オリジナルグッズ、作品にちなんだコラボ風呂も(アニメ!アニメ!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース <夏目友人帳>極楽湯コラボ ニャンコ先生と秋のごくらく風呂日和 グッズも続々(MANTANWEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「すみっコぐらし」「夏目友人帳」「刀剣乱舞」と美味しい時間を楽しもう ホットサンドメーカー3選(アニメ!アニメ!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 声優「佐藤利奈」さんが演じた好きなTVアニメキャラ人気ランキング! 2位は同率で「南春香(みなみけ)」「原田真琴(宇宙戦艦ヤマト2199)」「多軌透(夏目友人帳)」が並ぶ(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「夏目友人帳」ホットサンドメーカー、焼き目はニャンコ先生の顔(コミックナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『夏目友人帳』最新27巻発売中! 特装版は描き下ろしイラストのアクリルフィギュアつき♪ (2021年10月6日) - エキサイトニュース 『夏目友人帳』かわいいニャンコ先生メイクポーチに第二弾登場 (アニメージュプラス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「神谷浩史」さんが演じたテレビアニメキャラクター人気ランキングNo.1が決定! 「夏目友人帳」の夏目貴志を上回る1位は?(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『夏目友人帳』夏目はなぜ妖と人を変えていくのか? 命の数だけある孤独とそれを癒すぬくもり - リアルサウンド LaLa45周年特集「夏目友人帳」緑川ゆきインタビュー|寂しくないはずなのに、優しいものや儚いものを思うときに感じる“孤独”を描きたい - コミックナタリー 特集・インタビュー - コミックナタリー 『夏目友人帳』ポップアップストア開催決定! 描き下ろしイラストの新グッズやイベント特典も (2021年9月3日) - エキサイトニュース アニメの聖地、どこ行きたい?第1位に輝いたのは…『呪術廻戦』『ハイキュー!!』『夏目友人帳』etc. (2021年9月2日) - エキサイトニュース コスメグッズが必ず当たる「一番コフレ 夏目友人帳」が2022年1月29日(土)より順次発売!A賞「フェイスパウダー」のサンプルも公開! - 電撃ホビーウェブ 『夏目友人帳』“ニャンコ先生”をモチーフにデザインされたバッグ、財布、ストールの予約受付がスタート - ファミ通.com 『夏目友人帳』のイベント「夏目友人帳 POP UP STORE in ロフト 第弐幕」の開催が決定! - PR TIMES 『夏目友人帳』ニャンコ先生のモバイルバッテリーが可愛い!(アニメージュプラス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 夏目友人帳:ニャンコ先生のちょこりんマスコット ウリ坊ニャンコ、黒ニャンコも - MANTANWEB(まんたんウェブ) 人気アニメ「夏目友人帳」ファンの支援で聖地復活へ…九州豪雨で被災の「大柿毘沙門堂」 - 読売新聞 『夏目友人帳』“ニャンコ先生ショップ”オープン記念! キデイランドでフェア開催 - 電撃オンライン 今夜!『劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~』が放送 - シネマトゥデイ 「みんなのおしゃべりチャット」,6月新作スタンプ“夏目友人帳 ニャンコ先生”が配信 - 4Gamer.net 『夏目友人帳』雨の日のニャンコ先生がタカラトミーアーツのマスコットフィギュアに!梅雨シーズンでも楽しい毎日を♪ - 電撃ホビーウェブ 「夏目友人帳」「リズと青い鳥」など“夏”にちなんだ劇場アニメ6作品をBS12で放送 - コミックナタリー 【夏目友人帳】好きなキャラクターランキングTOP19! 第1位は「ニャンコ先生」に決定!【2021年最新結果】(1/4) | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ ケープを羽織ったニャンコ先生のぬいぐるみが登場!「一番くじ 夏目友人帳~ニャンコ先生と星景色~」が7月10日(土)より順次発売! - 電撃ホビーウェブ 正代が幕下と計10番全勝…故郷、母校登場のアニメ「夏目友人帳」を熱弁 - スポーツ報知 「夏目友人帳」ポップアップショップ、ニャンコ先生がかわいくウインク - コミックナタリー パセラ×『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』DVD&ブルーレイ発売記念コラボが6月8日より開催。自宅で楽しめる“おうちでコラボカフェ ハニトー”セットも販売 - ファミ通.com 新作アニメ『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』をU-NEXT独占で配信開始 - PR TIMES 「夏目友人帳」オンライン限定一番くじ登場! ニャンコ先生BIGサイズぬいぐるみや、ナチュラル雑貨がラインナップ - アニメ!アニメ!Anime Anime 『夏目友人帳』のトレーディング NordiQ アクリルキーホルダー、NordiQ マグカップの受注を開始!!アニメ・漫画のオリジナルグッズを販売する「AMNIBUS」にて - PR TIMES 映画『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』Blu-ray&DVDが5月26日発売 - TOWER RECORDS ONLINE - TOWER RECORDS ONLINE 【夏目友人帳】【フルーツバスケット】など「花とゆめコミックス」原作のアニメであなたが一番好きなのはどれ? 【人気投票実施中】 | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 夏目友人帳のキャラたちが「聖地」巡り 動画で復興応援 - 朝日新聞デジタル 【夏目友人帳】あなたが一番好きなキャラは?【人気投票実施中】 | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 『夏目友人帳』おやすみ中のニャンコ先生がでっかいぬいぐるみに! - 電撃オンライン 『夏目友人帳』の大森貴弘が映画『すみっコぐらし』第2弾の監督に - 電撃オンライン 「夏目友人帳」ニャンコ先生がころっと可愛い! 文庫革「浅草文庫」のL字ミニ財布&カードケースが登場 (2021年4月11日) - エキサイトニュース 『夏目友人帳』より、「ニャンコ先生浅草文庫L字ミニ財布」と「ニャンコ先生浅草文庫カードケース」が登場! - PR TIMES 「夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者」ジャケットイラスト・ドラマCDあらすじ・特典画像を公開!! - PR TIMES 「夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者」Blu-ray&DVDが5月26日(水)に発売決定!! - PR TIMES 夏目友人帳:ニャンコ先生が一番くじに ぬいぐるみ、春色ストール、ブローチ - MANTANWEB(まんたんウェブ) キデイランド大阪梅田店に夏目友人帳オフィシャルショップ「ニャンコ先生ショップ」2021年3月20日(土) グランドオープン - PR TIMES 『夏目友人帳』の一番くじ新作「ニャンコ先生と星景色」が7月発売!ニャンコ先生星空ケープぬいぐるみやアクセサリースタンドなどがラインナップ! - 電撃ホビーウェブ ニャンコ先生シール付きカレンダーがLaLaに、樹なつみが描いた花鹿らのカラーも登場 - コミックナタリー 神谷浩史「音声が必要な限り続けたい」 『夏目友人帳』に寄り添う思い - ORICON NEWS 『夏目友人帳』のニャンコ先生 BIGジップトートバッグ vol.2の受注を開始!!アニメ・漫画のオリジナルグッズを販売する「AMNIBUS」にて - PR TIMES 『夏目友人帳』ニャンコ先生BIGジップトートバッグ受注開始♪ - アニメージュプラス 「星瞬~Star Wink~」のきらめきに、目には見えない、あなただけの大切な思い出を重ねて――シンガー・Anly、劇場アニメ『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』主題歌が生まれた軌跡を語る - アニメイトタイムズ 「夏目友人帳」約3年ぶりのドラマCD付録がLaLaに、大森貴弘書き下ろし - コミックナタリー 『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』大ヒット御礼舞台挨拶ライブビューイング - アニメハック 『夏目友人帳』のAni-Art 第3弾商品の受注を開始!!アニメ・漫画のオリジナルグッズを販売する「AMNIBUS」にて - PR TIMES アニメ『夏目友人帳』シリーズと『蛍火の杜へ』がGYAO!で無料配信。新作映画『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』の公開を記念して - ファミ通.com 『夏目友人帳』のイベント「『夏目友人帳』Ani-Art フェア in アニメイト」の開催が決定! - PR TIMES 【夏目友人帳 1期】声優情報と作品概要・あらすじ紹介|夏目友人帳 - AppMedia(アップメディア) 【夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者】声優情報と作品概要・あらすじ紹介 - AppMedia(アップメディア) 「夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者」本予告映像・主題歌を解禁! - PR TIMES 「夏目友人帳」や「赤髪の白雪姫」「学園ベビーシッターズ」等LaLa&LaLaDXの連載作品第1話を一挙掲載! 無料電子マガジン「LaLa the 1st」12/4配信! - PR TIMES 「夏目友人帳」新作アニメ、主題歌を収めた予告完成 神谷浩史&井上和彦のコメント映像も公開 - アニメハック 『夏目友人帳』の描き下ろしイラスト 紅葉狩りver. を使用した商品の受注を開始!!アニメ・漫画のオリジナルグッズを販売する「AMNIBUS」にて - PR TIMES 「夏目友人帳」ニャンコ先生付録が4号連続でLaLaに!第1弾はスケジュール帳 - コミックナタリー 「夏目友人帳」新作アニメは21年1月16日公開 妖怪ミツミ役に金元寿子 - エイガドットコム 「十人十和」「夏目友人帳」コラボアクセサリー 発売のお知らせ - PR TIMES 夏目友人帳:新作アニメ「石起こしと怪しき来訪者」が2021年1月16日公開 妖怪ミツミ役に金元寿子 - MANTANWEB(まんたんウェブ) 夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者 | あらすじ・内容・スタッフ・キャスト・作品情報 - 映画ナタリー - 映画ナタリー 『夏目友人帳』新作映画が2021春公開! - 電撃オンライン 『夏目友人帳』のイベント「夏目友人帳 POP UP SHOP in ロフト」の開催が決定! - PR TIMES 「夏目友人帳」新作アニメ「石起こしと怪しき来訪者」制作決定! 二つの短編エピソードを2021年初春上映 - 超! アニメディア 「夏目友人帳」新作アニメ「石起こしと怪しき来訪者」2021年初春に劇場上映 - コミックナタリー 「夏目友人帳」新作アニメーション制作決定! 二つの短編エピソードを2021年初春、限定上映! - PR TIMES 「夏目友人帳」新作アニメ制作決定!二つの短編エピソードを2021年限定上映 - シネマトゥデイ 「夏目友人帳」(緑川ゆき)最新コミックス㉖巻が2021年1月4日発売決定!!描き下ろしイラストを使用したニャンコ先生フィギュア付き特装版も同日発売!! - PR TIMES 『夏目友人帳』新作アニメが制作決定、二つの短編エピソードを2021年初春に限定上映! 声優の神谷浩史さん・井上和彦さんより色紙コメント到着 - アニメイトタイムズ 『夏目友人帳』新作アニメ制作決定、2021年初春上映 2つの短編エピソード - ORICON NEWS 夏目友人帳:新作アニメ「石起こしと怪しき来訪者」制作 2021年初春上映 二つの短編 - MANTANWEB(まんたんウェブ) ニャンコ先生がゆらゆら♪ 『夏目友人帳』アクキーで癒されよう! - アニメージュプラス 「夏目友人帳」がお祭りテーマで一番くじに新登場!特設サイトで「おはなし」や「ミニゲーム」が楽しめる「お祭り」開催! - アットプレス(プレスリリース) 「夏目友人帳」ニャンコ先生と一緒に夏祭り♪ 浴衣姿の夏目貴志も儚げ…一番くじ登場 - アニメ!アニメ!Anime Anime 銀行登録OK!「夏目友人帳」のキャラクターに好きな名前が入れられるオーダーメイドはんこ「夏目はんこ帳」の正式発売スタート。 - PR TIMES 銀行登録OK!押すたびに「夏目友人帳」のキャラクターに会えるはんこ「夏目はんこ帳」の予約受付スタート。 - PR TIMES HC「夏目友人帳」(緑川ゆき)㉕巻通常版&フィギュアストラップ付き特装版が6月5日発売! 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ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 ウィキペディアを作ったiMacが箱付きで競売に登場。予想落札価格は約96万円!(ギズモード・ジャパン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ツムツム攻略Wiki|ゲームエイト - Game8[ゲームエイト] 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) アイプラ攻略Wiki|アイドリープライド - AppMedia(アップメディア) Among Us攻略Wiki【アマングアス・アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」:時事ドットコム - 時事通信 マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - PR TIMES 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) 【ウマ娘】チャンピオンズミーティングの攻略まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ヒシアケボノの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】カレンチャンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】フジキセキの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】ソラのコンボと評価【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】サーナイトの評価と性能詳細【UNITE】 - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ”(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? 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https://w.atwiki.jp/r2d2/pages/62.html
バロック風というのだろうか。 このだたっぴろい部屋にあるインテリアは、いちいち派手な装飾がついている。彼が今座っている椅子にしても、肘を置いているテーブルにしてもそうである。テーブルの端やや椅子の背もたれはバラの花が複雑に咲き乱れているような黄金の彫刻で縁どられ、四つ脚は滑らかな曲線を描いている。 彼はこういった装飾が苦手である。良さが分からない。 どちらかというと、無駄のないもの方が美しい。そう思う。いくら見た目が華美で豪壮だろうと、それによって何らかの機能が追加されないのであれば意味がない。無駄がなく、機能的に優れているもの。それこそが本当に美しい。 インテリアと同じく華美な花の意匠を施されたティーカップ、そこに注がれた紅茶。アールグレイとかいうらしい。その透き通った茜色の水面に、彼ご自慢の銀ぶち眼鏡が映り込んで一瞬煌めいた。 彼は紅茶の表面を覗き込む。 オールバックにまとめた髪。眉間に刻まれた皺。憂鬱そうな目元。高い鼻。こけた頬。薄い唇。尖った顎。四角い銀ぶち。 我ながら陰気である。病人のようである。商社マンのようでもある。魔法使いにも見えないことはない。 だが、実際の彼はそのどれでもない。 彼は科学者である。 そして――宗教者でもある。 ACT.48 Priests ~抜け目ない愚か者のように~ 「カウスが死んだか……。だが奴は我らの中でも最弱……」 「そういうもの言いだから、器量が小さいのですよ。フィル」 そう言ってほほ笑み、ヴァーユはティーカップに口をつける。 一方器量が小さいと言われてしまったフィルは眉間に一層の皺を寄せ、フンと鼻を鳴らして正面に向き直った。 ここはアイゼンベルクの神殿――といっても見た目は完全にバロック風宮殿の類だが――にある大食堂。「神」や八神友が食事のために集まる部屋である。 全ての壁と天井が白塗りで、それらの継ぎ目には黄金の縁取りがなされている。しかもただの縁取りではなく、それぞれ植物や翼を広げた鳥、天使、女神などの彫刻が施されており、それらが部屋の中央に吊るしてある巨大なシャンデリアの光に照らされて落ち着きの悪い煌びやかさを醸し出している。地が白だから一層生える。 同様に黄金の縁取りがなされた縦長のテーブルや椅子は朱に塗られており、部屋の内装に対して統一感があるのだか無いのだか判じかねる全体像を作り上げている。この部屋とインテリアはそれぞれが凄まじく派手で、しかも主張が強いのだ。趣味が悪いといえばそれまでなのだろう。食堂に限らずこの神殿の内装はいちいちこんな具合で、それに対する神友達の評価はまちまちである。ある者は「無駄」と切り捨て、ある者は「素敵」という。 神殿内には、いたる所に大小様々な絵画が存在する。壁にかけるタイプのものから、天井や壁に直接描かれたものまで、その種類と大きさはまちまちである。だが題材は得てして人間のあらゆる神話のドラマチックな場面なのであった。 この食堂もそのご多分にもれず、四つの壁には合計で十三の絵画が飾ってある。 この部屋の中央に据えてある恐ろしく長い朱のテーブルに対して、椅子の数は僅かに九つ。神と八神友の分である。長方形の短い一辺に神の座る椅子があり、それに引き連なるようにして残りの八脚が二方四脚ずつに分かれ、長辺に並んでいる。 フィルの指定席は神の座から見て左側の、二番目に神い近い位置であった。第五神友である彼がこの位置にいることからも分かるように、この指定席というものは序列に即したものではない。 ヴァーユはフィルの席から見て右斜め前、つまり角を経て神のすぐ右側が指定席である。 それにしても……この中世西欧風の部屋には白衣の男や、オレンジ色の袈裟にジーンズ、そして銀の腕輪を身につけた褐色肌の青年はあまりにも似合わない。 彼らは紅茶を嗜みながら、神の座の正面に位置する壁に飾られた巨大な黄金の額縁――その中に映し出されたデファンスシティの戦闘の様子を眺めていた。普段はキリストの絵が入っているその額縁は、実は巨大なモニターなのである。 「ぶえええ~~~」 そして、今この部屋でそのモニターに映し出された映像を見ているのは彼ら二人だけではなかった。 フィルの隣の席で、緩いウェーブのかかった金髪の美少女が、顔面からありとあらゆる汁を垂れ流しながら大泣きしている。 テティスである。 「カウスがあー……えっ、えっ」 「実に彼らしい最期……といえるわね」 そしてもう一人。 フィルの正面の席に着いている、艶やかな黒髪と澄んだ青い瞳の少女。年のころにして十六、七といったところか。 黄太達が静香と出会った森で、メタルグレイモンに進化したアグラに仕留められそうになったマーレを助けた神友――クーエルである。 当時毛皮の北方民族衣装を着ていた彼女は、今は濃紺のドレスに白いエプロンとレースがついた衣装――いわゆるメイド服を着用していた。首には銀色のチョーカーをつけ、長い髪もツーサイドアップにし、可愛らしいピンク色のリボンを結んでいる。 常に無表情が張り付いているそのビスクドールの如き美しい顔や派手な服装は十分人目を引くに足りうるが、何より目を引くのはその胸部であった。エプロンドレスに双丘を成すそれは、彼女の最大の特徴といってもよい。――潔く言おう。彼女は巨乳である。 白衣の男も破戒僧のような青年も、顔中から汁を垂れ流す少女もこの部屋には似つかわしくない。だが、このクーエルだけは中世西欧風で無駄に派手なこの部屋に妙にマッチしていた。ただしそれはあくまでビスクドール――インテリアとして、である。人物として甚だ違和感があることは、やはり他の面子と一緒なのだ。 「なんで死んじゃったのお~~~うっ、ぶえっ」 この部屋には四人の神友がいるのである。そしてその全員がカウスの最後の戦いを映像で見ていた。 盟友の最期だというのに――テティス以外の三人は実に冷静なものであった。 「まったく……さっきからズビズビとうるさいやつだ。顔じゅうがびしょ濡れではないか……ほら、これを使え」 テティスを見かねたフィルは白衣のポケットからハンカチを出して彼女に渡す。 「ありがとう……うう。ズビーーーーーッ!!」 テティスは手渡されたハンカチで思い切り鼻をかんだ。 フィルは涙を拭かせるつもりでハンカチを渡したのだが……。 「……はい。返す」 テティスは粘着質の汁がべっとりとついたハンカチをフィルに差し出す。 「いらんわ!」 「相変わらずフィルはテティスに甘いんですねえ」 はっはと笑いながらヴァーユが言う。 「ロリコンですものね」 いつもの無表情でクーエルが言う。 「誰がロリコンだ! 誰が!」 「いやーん。テティス、身の危険感じちゃう!」 先ほどまでの涙はどこへやら、テティスは楽しげに自分の肩を抱き、上体をフィルから遠ざける。 「貴様……今の今まで泣きじゃくっていたくせに調子に乗りおって……身の危険以上のなにかを感じさせてやろうか?」 「おやおや、真性のようですね」 「最低ね……」 「死ね変態! きゃはははは!」 フィルは弄られキャラなのであった。 「そんなオチがあるか!」 事実なのだから仕方がない。 弄られキャラという事実、そしてロリコンであるという事実を受け止めなければ、彼はきっと前に進むことができないのである。そう、自省と自制が必要だ。特に性癖の面に関していえば、何より自制が大事であるといえよう。 自制しなさい。 「だ・か・ら私はロリコンではないと! 言っているだろうがァーーーーーーーーー!」 ほう……では聞くが、貴様の部屋にあるあのスクール水着は何だ? 「あ、あれは……! 私が不在の時、プール上がりのテティスが勝手に部屋に入って……それから前に私に注意されたことを思い出して、『着替えなきゃ』と思ったらしく、どういうわけだかそのまま私の部屋で着替えた時の……忘れ物で……!」 そうか。しかし解せないな。何故、すぐに返さないのだ? 「う……そそそそれは! き、機会がなくて、だな……」 しかも……これがまた真性臭くてアレなんだがな……何故、〝そのまま〟にしている? 何故洗濯すらしないのだ? 「ぐっ!」 あ、ぐっ! って言った。遂に認めたか……。 それにしても、お前はアレを一体ナニに使って――。 「や、やめろ! 私は断じて、断じてロリコンなどでは――!」 「フィル? ねぇ、フィルってば」 「――ハッ!」 それまで謎の存在と謎の会話を繰り広げていたフィルは急に現実に引き戻された。 テティスが彼の銀ぶちの中を覗き込んでいる。 「わ、私は――」 「急に黙り込んでポケーッと宙を見つめ出すから、いよいよ泣きだすんじゃないかと思いましたよ」 ヴァーユが不敵に笑っている。 先ほどの会話は――自分が話していた相手は誰ったのだろうか。夢か? いや、夢は眠っている時に見るものである。自分は目覚めながらにして夢を見ていたとでもいうのだろうか。それとももしや自分の中に芽生えたもう一つの自我だとでもいうのだろうか。自分の性癖を肯定する――抑圧された部分を開放するような自我。 いずれにせよ、今の彼には結局その正体を知ることはできない。ひょっとしたら、これから先も知ることはないのかもしれない。 「失礼しやす」 フィルがまだ多少の混乱を頭の隅に抱え、それでも話を進めようとした時――低く渋い声と共に、部屋に一人の男が入って来た。 がっちりとした長身の男である。頭髪はきっちりとした角刈りにし、グレーのスーツの内側に派手な赤いシャツを着た男である。尖がった襟を持つシャツのボタンは上から四つが開けられ、その下の筋肉質な胸板と、ひじきのような胸毛が覗いている。金色のネックレスが眩しい。頭髪と同様に角ばった顔には切り傷のように細く鋭い眼がついており、左目の下には本物の切り傷もあった。――つまるところ、「そのスジのお方」のような風貌である。 男はその風貌に似合わぬもの――ホールのチーズケーキを持ってテティスとフィルの席の間に立った。 「お嬢、チーズケーキが焼けました」 「ギンジ! おーそーいー!」 「も、申し訳ございやせん。何しろ初挑戦だったもので……」 「言い訳はいい! さっさとよこしなさい! アタシもうお腹ぺこぺこなんだからー!」 「へ、へえ!」 腕を万歳の形に振り上げて喚き立てるテティスの前に、ギンジはへこへこ頭を下げながらチーズケーキの乗った皿を置く。テティスの顔の三倍はあろうかというそのチーズケーキの横には、柄の先にウサギさんの頭がくっついた可愛らしいフォークが添えられていた。 「いただきまーす!」 テティスはウサギさんのフォークを引っ掴むと、ホールのチーズゲーキをカットもせずにそのままガツガツと食い始めた。 信じがたいことだが、どうやらワンホール丸々一つが彼女一人分らしい。 「お、お味の方は……」 「うん! スッゴクおいしよギンジー!」 緊張した面持ちでテティスの顔色を窺うギンジ。それに対し、テティスは口の周りにケーキのかすをつけながら満面の笑みを以て応えた。 「きょ、恐縮でごぜぇやす」 「毎回、本当によく食べるのねこのコは」 クーエルがやはり無表情で、それでも明らかに呆れた口調で言う。 「ギンジさんも大変ですねぇ」 「いえ、自分は……お嬢の喜ぶ顔さえ見れれば、それで」 そう言ってギンジは頬を微かに染める。もしやこいつも――。 「フン。カウスが死んだことなど、もう忘れてしまったかのようだな」 「何をー!」 冷水をかけるようなフィルの一言に、テティスは口をもごもごさせながら怒ったような顔をしてみせる。 「べふに忘れてないもーん! ぼふっ」 咀嚼しかけのケーキが小さな口から飛び出す。 「ええい、貴様はもう食い終わるまで喋るな! メガネに何かついたではないか! ……さて、ではしばらくは我々だけで話そうか。カウスの最後についてであったな」 「雑談に仕切り直しがあるというのも可笑しな話だけれどね」 そう言ったクーエルの顔は、しかしちっとも可笑しくなさそうであった。このビスクドールが笑ったところなど、八神友の誰一人として見たことがないのである。 「実に彼らしい最期であった……ということでしたね。結局はノナのために戦い、彼女を守って死んだというところが実に彼らしいと、私もそう思います」 「フン。限りなく愚かなことだがな」 このフィルの発言に、ヴァーユの眉がピクリと動く。 そしてクーエルは彼のその変化を見逃さなかった。彼女はヴァーユの心情を汲み取るようにして、カウスのフォローに入った。 「あら、素敵なことだと思うわ」 「素敵? 何が素敵だというのだ」 「愛のために死ぬなんて、とてもロマンチックじゃない」 この時、世界のどこかで彼女の言葉に反応した男がいたことは言うまでもない。 「それが素敵か? 下らん。愛などが命を懸けるに足る程のものとは、私には到底思えんな」 「それはあなただからですよ。現にあの臆病なノナでさえカウスのため……愛のために自らの命を危険に晒してまで戦ったのです」 「カウスの役に立ちたかったのね。あのコらしいわ」 「だが、そのノナが戦場にでてきたせいでカウスは命を落としたのではないか。結果的にノナは、自分で愛する者を殺したようなものだ。なんと間抜けなことか」 「そういうことを言うものじゃないわよ。これは愛というものの深さ――一筋縄ではいかないところを表しているのよ」 「ノナにとって愛は、彼女自身を強くするものだった……いや、ノナに限らず女性というものはそういうものなのかもしれませんね。愛によって強くなる。子を守る女性ほど強いものはない。母は強し……とは、よく聞く話ですし」 「確かにそれはよく聞く話だがな。無論、実体験があるわけではないが」 「しかしこれが男性となると……話は少し違ってきます。父は強しなんて言葉、訊いたこともありません」 「愛は男性も強くするとは限らないのかしら」 「私に言わせれば、愛などは重りでしかないな」 「だからそういうことを……」 言うものじゃないわ、とクーエルが言いきる前に、ヴァーユが平手を出して彼女の言葉を遮った。 「フィルの言う通りです。愛というものは重いもの。大切であるが故に、重いのです。そして愛が及ぼす作用の男女による違いは、まさにここに原因があるのではないかと」 「どういうこと?」 「精神面においては男性より女性の方が優れているというのは、これもよく聞く話ですね。男性では出産に耐えられないとか。女性は愛の重みに耐えることができる。その重さを自分のもの、自重として、困難に直面したときに踏ん張る力に変えることができる。ところが、男性はその精神面の弱さから『愛をただのプレッシャーとしか感じられない』のです。自分の動きを妨げ、束縛するものとしてしまう」 「カウスはまさにその良い例といえる……かもしれんな。奴にとって愛は弱点になった、というわけだ」 「そうですね。男性にとって愛は弱点でしかない。これは柱にも喩えられるかもしれません。彼を支える柱は、それと同時に急所でもあるわけです。自分をしっかり支えてくれるその柱には、言い換えればこれはきちんと重さがかかっているわけで、そこを突かれてしまうと堪らない。一度体重をかけてしまったからには、その柱無しには彼はもう立っていることがままならなくなるのだから」 「成程よく分かるわ。でも、それは女性にも言えることなんじゃない?」 「いいえ、女性の場合は少しばかり違ってきます。女性は精神的に強い。だから『そこを突かれるとまずい』というプレッシャーよりも、『守らねば』という使命感の方を強く感じるわけです」 「愛は男性に対しても女性に対しても同様の効果を齎すけれど、その効果を受けた心の働きは男女によって異なる……そう、これが男女の違いを生み出してしまうのね」 「要は至極簡単な方程式だな。x+l=a、y+l=b。xが男の心、yが女の心。lが愛で、aが結果。違うものに共通のものを足すのだから、自ずと解は違ったものになるわけだ」 「守らねばと感じれば強くもなるでしょうね。……そして、プレッシャーを感じれば弱くもなるでしょう。そこが男女の違いなのね。愛というものに対する、潜在的な意識の違い……」 「愛は女を強くし、男を弱くする――か」 フィルは面白くなさろうに、しかし噛みしめるように呟いた。 そんなフィルの様子を見て、ヴァーユは満足げに口の端を上げた。 「そうですね。愛が全ての者を強くするなどと考えるのは……ロマンチックではありますが、これは心や個というものに対する冒涜とも言えましょう。ま、更に言うならこれは個人レベルの話でもあるのですがね。今のフィルのように方程式を用いて考えれば、これは当然のことですです。何故なら言うまでもなく、ヒトやデジモンの心はxとyの二種類で分類しきれる程単純なものではないのですから……」 「相変わらず色々考えているのね。でも……愛――大切なものが弱点になり得るというのなら、私たちの中には、神を崇めることで弱くなってしまった者もいるということなのかしら」 「フフ……間違っても弱点をつくりたくないというのなら、一つの柱に体重をかけすぎないことが大事です。それが信念であろうが愛であろうが……神であろうが。体重をかけるということは、それは大きな危険性を伴うことですから。そして――」 「フッ……どこに行き着くのかと思えばヴァーユ貴様、行き過ぎた信仰は身を滅ぼしかねないので程々にしておけと、そう言いたいのか? これはとんだ不敬者だ」 「違いますよ。大きな危険性を伴うから、何かに体重をかけるためには〝覚悟が必要だ〟と言いたいのです。ヒトの言葉を中途までで理解しようというのは奢りですよ。せっかく、ようやく本題に入るところだったのに……さて、話を戻します。体重をかけるということは大きな危険性を伴う行為であるからこそ覚悟が必要なのです。そしてカウスは覚悟していた。己の身を滅ぼしかねないということは……自分の体のことですから、彼が一番よく知っていたのでしょう。文字どおり命を削って戦う彼だからこそ、体重をかける云々のたとえを用いずとも――実感によって、愛を貫くための代賞の大きさを誰よりもよく知っていた。その代償の大きさ知って尚、ノナのために命を投げ出すような真似ができた。つまり」 「つまり命を削って戦う者であるカウスは人一倍愛を貫くための代償を――先ほどまでの説明でいうところの「体重をかける上での危険性」を承知していて、その上で覚悟して戦い、命を落とした。ということが言いたいのね?……ヴァーユ――ああ、なんて回りくどい人なのかしら。あなたは要するに、フィルのカウスに対する『愚か』という発言を撤回させたかったのね?」 ビスクドールの口から溜息が洩れた。完全に呆れ返ってしまったらしい。 それもそのはずである。ヴァーユは死んだ仲間を侮辱する発言を撤回させるために、恐らくは生物にとっての至上命題である愛について講釈を垂れる――という遠回りをしたのだから。 撤回を求められたフィルも、参ったというか呆れたような顔をしている。 「分かった、分かったよ……あいつは、我らが同胞カウスは愚かなどではなかった。先ほどの発言は撤回しよう。全く、文学的というか……貴様はいつもそうだな。理解しやすいといえばそうなのだが、回りくどくて要領を得ん」 「フフ……お分かりいただけたのなら結構です。カウスは覚悟者でした。本当の意味での覚悟をできる者はなかなかいない。にもかかわらず、彼はそれに至ったのです。彼は誇るべき同胞です。実に立派な最期でした。それに前置きがなければ今の話はいまいちピンとこなかったことでしょう。回りくどいのが嫌だというのならフィル、あなたは先読みができるのだから、いっそのことこちらの意図を読み取ってくれてもよかったのですよ」 「やってみたさ。それで間違えたんだろうが。……それに私の尽読(ツクヨミ)は正確な未来予知ではないのだ。あくまで未来の選択肢を見るというだけのこと。だから間違うことだってある。戦闘においては、見えた全ての未来を受けて行動を選択する――いわば達人の読みを体現する能力。予測であって予知ではない」 「達人の読みを体現する割には、簡易版を植え付けたあのコは大して強くならなかったようじゃない?……なんといったかしら。あのゴツイ」 「セントガルゴモンか。あいつはまぁ、簡易版が実戦で使えるかどうかを試すものだったからな。だがあれは駄目だった。簡易版とはいえ、尽読を再現するには相当な容量を食うようだったからな。今も言ったとおり尽読を戦闘で生かすためには見えた後の行動選択が重要なのであって、つまり高度な演算能力が必要というわけだ。だが尽読で容量を食ったせいであいつはその辺が――有体にいえば、足らなかったのだな」 「つまり頭が悪くては生かせない能力なのですよね。何だか自慢か厭味にも聞こえましたねぇ」 「フン。否定はせん」 「でも私、あのコがウィザーモンの一行にやられてしまった理由はそれだけではないと思うわ。あのコ、燃料の関係で途中からレーザー……だったかしら。それともビーム? あれを撃てなくなっていたみたい」 「あれは単体で小さな……いや、中程度の街や集落なら潰せるように造った。つまり、単機で大隊に匹敵する攻撃力を有しているのだ。だが単機で動かすには航行範囲とスタミナも問題になってくる。エネルギーを食うような攻撃を使わずとも、目的を果たせるようでなければ駄目なのだ。だから、光学兵器を使い過ぎると帰って来られなくなるようなところへ向かわせた。いわばその点も実験したわけだよ。というより、試した……か。足りないとはいえ、その辺の判断も誤るようでは困るからな」 「可哀そうに。レーザーで敵が進化する前に確実に殺せていれば、彼は死ぬことはなかったでしょう。帰りくらい〝いつものように〟私に天駆(アマガケ)で迎えに行かせても良かったはずよ」 「貴様のおかげでいつも素早い戦線展開が可能なのは事実だがな。それは必要だからやっているに過ぎないことだろう。私の部下を甘やかすこと、これは別に必要なことではない。むしろ部下は突き放すくらいで丁度いい。――テティスを見ろ」 「足りなーい! もう一個焼いてー! 次はチョコレートケーキ!」 チーズケーキワンホールを丸々平らげたテティスは、それでもまだ食い足りないらしい。手足をバタバタさせながらウサギさんフォークを振り回し、「カロリーが云々」と言ってなだめすかそうとするギンジを困らせていた。 「三秒! 三秒以内に焼いてー! いーち!」 「お嬢、育ち盛りとはいえ、これ以上はいくらなんでも体に……ってええ!? もうカウント始まった!?」 どう見ても「そのスジのお方」にしか見えない男が、ウサギさんフォークを振り回す女の子相手にオタオタしている様子というのは何とも滑稽である。 「にー! 間に合わなかったら殺すんだからー! 『溺愛死』させてやるッ!」 「ヒッ!? い、今スグ焼いてきやぁすッ!!」 そうしてギンジは、逃げるようにして部屋から去って行ったのであった。 「彼は……部下というより召使と言った方がいいような気がするのだけれど」 「う、うむ……」 「ギンジさんも大変ですねぇ。テティスと出会ってしまったのが運のツキ……いえ、さしずめ縁のツキと言ったところでしょうか。しかし、彼もまたカウスと同様に愚か者ではないわけです」 「ギンジは、今のところは少なくともカウスよりはマシに見えるな。命を落とすところまで至っていないのだから」 「カウスが命を落としたのはノナと出会ったせいというわけではないと思うけれど……そうね、愛のために生きるということの大変さはよく分かったわ。愛のために戦うということも」 「フフ……愛のために戦う……私は勿論素晴らしいことだと思いますが、我々のナンバーツーあたりはバッサリと切って捨ててしまいそうですね」 「あー、アタシ、あいつが前に何かそんなこと言ってるの聞いたー!」 食う作業を一段落させたテティスは、ウサギさんをビシッと突きだすと共にようやく話の輪に入って来た。 「なんだっけ……戦いに愛だの情だのを持ちだすのは、極上料理にハチミツをぶちまけるかの如き愚行……とか」 「なるほど……彼らしいですねぇ」 「根っからのバトルマニア……ですものね」 「アタシ、いまいちピンとこなーい。だってハチミツおいしいじゃん」 「そうではないのですよテティス。ハチミツが美味しいとかではなく、この場合はどんな料理でも甘ったるい味に統一されてしまうということが問題なのです。その料理本来の味が分からなくなってしまうでしょう?」 「えー? それは分かるけど、でも戦いと関係ないじゃーん」 「つまり戦いに愛とか情を持ちこむと、戦い本来の面白さが分からなくなるどころか『やっぱり愛って素晴らしいよね、というお話でした。めでたしめでたし』……となりかねないのです。カウスの最期の戦いもそうです。ノナとの愛情話が無ければ、これは実に面白いバトルマンガになり得たかもしれない。しかし愛を持ちだした途端、これがただのラブストーリーになってしまう。それまでにバトルを面白くするために懸けた手間暇も全て無駄になる。本来料理にとって大事な要素である下味も隠し味も無視した、ただのハチミツ味になり下がるわけですね」 そう身振り手振りを加えて説明したヴァーユは、最後に「なり下がってしまう、と捉えるのがつまりバトルマニアという人種なのですけどね」と付け加えた。 「ふーん?」 テティスは分かったような分かっていないような、それでいて最早興味があまりないという風な声を出した。 「我らがナンバーツーの厄介なところは、弱者をなぶることでもなく、強者と競ることでもなく……戦いという行為そのものを楽しむというところね。どんな戦いでも自分の快楽にしてしまう」 「ね、あいつ今なにしてるの? フィル」 やはりテティスは、既に「戦いと愛の関係」に対する興味を失ったようだ。 そしてその興味は今、長らく連絡をとっていない第二神友の行方に移された。 「さて……奴は〝アンチェイン〟を調査していたようだがな」 「あー、なんだっけ? アルファモン? だよねぇ」 「そうだ。ロイヤルナイツの空白の座にして、イグドラシルにも縛ることのできない謎の存在。アルファモン。なにものにも縛られないことからアンチェインと呼ばれている」 「カルロの話だと、戦闘時間を巻き戻すとかなんとか……よく分からない能力を持っているらしいわね」 「ああ。その能力がアルファモンを無敵たらしめていた。しかしアルファモンは、来訪者を迎撃した際に滅んだのだ。私などにとっては想像を絶する世界だが……来訪者の能力からすれば、これはまあ当然の結果だったな。あれは時間を巻き戻すとかそういう次元の力ではまるで敵わない相手だ。力の規模――否、〝世界〟が違う。あれを『理不尽な来訪者』と名付けたのはイグドラシル側の連中らしい。突如として出現し、世界を蹂躙し始めたことからそう呼びだしたようだが……」 「フィル、脱線していますよ」 「ああそうだったな。……ヴァーユ貴様、自分はすぐ脱線するくせに、他人の脱線にはやたら厳しいな」 「僕は回りくどいだけです。いわば迂回。脱線と違って、最後には必ず目的の場所に行き着きます」 「ああ分かった分かった……さて、本線に戻ろうか。あの戦闘狂からの連絡が絶えたのは、アルファモンが来訪者に敗れるより少し前のことだ。つまり、奴はアルファモンと来訪者の戦いに巻き込まれたわけでもないということだが……さて、どこに行ったんだろうな」 「え? さんざん引っ張っといて、結局分かんないの?」 わざといちいち勘に障るように発言するテティスに、フィルはこめかみをヒクつかせた。 「分からん。奴が死ぬなどまずあり得ないから、必ずどこかしらにはいるものだと思うのだが……さて、この世界で通信が絶えるような場所など……」 「ダークエリア……かしらね」 クーエルがぽつりと呟いた。本当に何気ない口調であったのだが、それでもその名自体が大したものである。デジモン達にとっての――いや、この世界で生きる者達にとっての地獄にあたる地平。それがダークエリア。 だから、彼女がどんなにさりげなく呟いたとしてもその名に不快感を示すものがいるのは当然である。 「ダークエリア! って……やだぁー」 テティスは眉間にしわを寄せ、如実に不快感を露わにする。 「そんなこと言わないの。あそこは確かに恐ろしいところ……らしいけど、ほら、ミザニアの故郷でもあるのだから」 「アタシあの女嫌いだしぃー!」 テティスは一層眉間のしわを深める。まるでダークエリア――地獄よりも、そのミザニアという女性の方が忌わしいと言わんばかりである。 「神様、あの女ひいきし過ぎだしー! 無駄に美人なのも癪だしー! 私のこと子供扱いするしー!」 それは皆してるだろ、とフィルが突っ込む。 「それにあの目が……」 そこでテティスは一旦言い淀む。視線を右斜め上の中空に走らせる。適当な表現を考えているらしい。 「彼女と目を合わせると、まるで地獄の淵に立って奈落を覗き込むような……そんな気持ちになりますからねぇ」 「そう! それ! それが一番やだ! あの女怖いのー!」 テティスは、自分の最も言いたいことを実に適当な表現を以て代弁してくれたヴァーユをウサギさんでビシッと指す。 「彼女は地獄そのもの……いえ、地獄の入口です。一度地獄に入れば、そこにあるのはひたすら苦痛のみ。しかし、その入口に立った時点で胸に去来するものは果てしない絶望と底知れぬ恐怖。肉体的を苛ませるものではなく、精神を苛み蝕むもの。彼女と対面する度に、この地獄の入口の気分を味わう。彼女――ミザニアという存在は、言うなればそう……地獄よりも地獄です」 ヴァーユの口調は冗談を言う時のそれであったが、その眼差しは至って真剣そのものである。 八神友の中で最も掴みどころがなく、飄々とした男、ヴァーユ。 ミザニアという女性は、そのヴァーユでさえも深淵に導いてしまうほどの存在なのである。 「ああ行方といえば……カルロはどうなりました? 来訪者を見失ったはずですが」 「感知はできるからな。まあ遠からず再び見つけるんじゃないか? 何より、奴は執念深いしな」 「つまり目下捜索中ということね。居場所さえ分かれば、あとはシエロもいるのだから容易に追いつけるでしょうね。フィル、来訪者の移動速度はそんなに速くないのでしょう?」 「ああ。今回デファンスシティに現れた際には空間跳躍のようなことをしたようだが……平時は、ちょうど人間が歩く程度の速度で移動しているようだ。大陸の西の端に降り立ってからずっと東を目指して移動し続けているようだが……その目的地がどこなのか、いや、そもそも目的を持って移動しているのかどうかすらも分からん」 「ねー、イグドラシルも来訪者の正体が分かってないんでしょ?」 テティスはウサギさんを指先でくるくる回して弄び始めた。この話題にも飽き始めているようだ。 「だったらなんで来訪者を倒そうとするのー? いいやつかもしれないのに」 「テティス、イグドラシルにとってそんなことは関係ないのですよ。〝イグドラシルというのはそういうもの〟なのです」 「ふーん? わかんなーい」 「イグドラシルにとって大事なのは、来訪者が〝外から来た者〟であるというただ一点なのです。だから、そういう意味ではウィザーモンも来訪者と変わらない。等しく排除すべき異物なのです。その正体も目的も、かのデミウルゴスには関係ない」 「え? じゃあ人間は? 人間も異物じゃないの? こっちに来ちゃった人間を全部殺そうとしないのは何で?」 「ですから……〝イグドラシルとはそういうもの〟なのです」 ヴァーユは先ほどよりもゆっくりと、含みを持たせるようにして答えた。 「あー、今度は分かったぁ。そっかぁそうだよねー。人間は殺しちゃダメだよねぇ」 「それにしても……あれは一体何なのかしらね。理不尽な強さを持つということ以外、何も分からない……」 「もう一つ分かることがありますよ。我らの神にとって大切な存在であるということです」 「フン、その理由もまるで分らんがな。神は我々に何も話してはくれない」 「え? 〝神様のパーツ〟じゃないの?」 「パーツはパーツだろうさ。だが、何故あれがパーツなのかということがまるで分らん。それに神は、あれが何なのか分かった上で必要と申されているのか。それとも、ただひたすら強大だから求めているだけなのか……」 尖った顎に手を当てて考えこむフィルの姿を見て、ヴァーユは穏やかに、それでいて不敵に微笑む。 ビスクドールの澄んだ瞳は、その妖しい笑みを見逃さなかった。 「何か……思うところがあるようね。ヴァーユ」 「おや……鋭いですね。流石は歳の功といったところでしょうか」 「ふざけたこと言っていると切開するわよ」 「フフフ……怖い怖い」 「怖いのはお前だ。一体何を考えている? いや……何を思いついたのだ?」 「いえね……大したことではないんです。ただ、来訪者の正体に見当をつけたというだけのことです」 「けんとうー?」 ヴァーユの言葉にフィルとクーエルは僅かに緊張した。これは、先を訊きたいという意思の現れである。だが、そんな中でテティスだけはウサギさんの頭を人差し指の腹に乗せ、バランスをとってうまいこと立たせようとしている。これは、あまり興味がないという意思の表れである。 「……このガキは」 「ヴァーユ、その見当とやら……是非訊きたいものだわ」 クーエルに促され、ヴァーユは「では……」と一呼吸置いてその切れ長の瞳を閉じる。 そしてゆっくりと――瞼の奥の孔にこの微かに緊張した空気を吸い込むようにして瞳を開くと、なんともこの場にそぐわない言葉を発したのであった。 「あなた方は――神を信じますか?」 「……は?」 この間の抜けた声はフィルのものである。 「はい、信じまーす……っておおおっ!」 ウサギさんが――その二本の細耳で立った。テティスが歓喜の声を上げる 「ヴァーユ、一体どういうことなの?」 クーエルはあくまでも冷静である。 「いえね……僕はこう思うのです。来訪者は――来訪者こそが真の神なのではないのかと」 「何……だと……?」 「それは――どういう意味かしら? 先ほどの言葉と併せて説明願いたいわね」 「言った通りの意味です。来訪者は神かもしれない。ただしイグドラシルとは違う本物の神。アイオーンというやつですね。真の神。デジタルワールドでもリアルワールドでもない、〝この世界の神〟です。いや、正確には〝神の影〟――でしょうか」 「えー? 意味わかんなーい。可愛いテティスちゃんにも分かるように説明してよぅ」 「ふむ、そうですね……たとえば我々の世界が、とある小説であった場合」 「小説だと?」 「たとえばの話です。この場合、我々は言うまでもなくただの登場人物ですね。そしてイグドラシルやリアルワールドの神……デミウルゴスである彼らもまた、ただの登場人物に過ぎないのです。物語に〝登場〟という形で関わる神は、等しくデミウルゴスなのです。キャラクターに過ぎない。しかしアイオーンの神は違う。彼の神は――そう、物語の書き手であるわけですね」 「つまり、その世界でどれほど神と称えられるような存在であっても――小説という世界の中にいる限り、その神は登場人物に過ぎない……。真の神は、あくまでも小説――つまり世界の外にいながらこの世界を創造し、操作している者ということか?」 「その通りです」 「なんとなくわかるけど、わかりにくーい……」 「それはそのはずです。もしこの世界が本当に小説ならば、神は我々に知覚されてはならない。知覚された瞬間に神は小説の世界に存在することになってしまい、やはりただの登場人物になり下がってしまうわけですから。小説の世界において、神は不在であるからこその絶対者なのです」 「でもヴァーユ、それならメタフィクショナルな表現が登場する作品の場合はどうなるのかしら。漫画や何かだと、書き手――神がある種のネタ……というのかしら、そういった形で登場することもあるのじゃない?」 「確かにそういった場合もありますが、それは神本人ではありません。神をキャラクター化したものです。いわば神の影、鏡、写し身ですね。神話でいうところの、神が何々の姿を借りて降臨なさったとか、そういう類のものです。神が本当の意味で物語に登場することは絶対にあり得ない。何故なら世界――小説は、神の精神世界の箱庭なのですから。その箱庭を文章で記すなり漫画に表現するなりしたところで、神自身をそこに丸ごと放り込むことなど――こんな常識的かつ味気ないことはあまり言いたくはないのですが――物理的に不可能なのですから」 「うむ。そりゃそうだ。実に当たり前のことだな。人間が小説や漫画の中に入れるわけがない」 「そうなのです。でも――いえ、だからこそ、でしょうか。神は本当の意味で自分自身を物語に登場させることができないからこそ、世界に入り込みたいという願望を持った時、それを満たすために影を登場させるという手段に出るのです。――ちょうど、キリスト教のゴッドが自分に似せて人間を創ったように。自分をそのままキャラクター化したものでなくともいい。自分と共通の要素を持った者を登場させたがる。作品自体が書き手の鏡のようなものですからね。物語のテーマや世界観や雰囲気、文体等々に自分の性格やら信念やらを表現する場合もありますが、影を登場させるというのはそれらと同列のものでしょう。それ以上の意味も、それ以下の意味もない。戯れといえばそれまでです。しかし、作品に愛着を持ち続けるうえではこれが不可欠なことでもあります」 「……あのさー、この話長いー? 来訪者の話と関係あるのー?」 「……きっとあと一時間はかかるぞ」 「あらあら、紅茶が冷めてしまうわね」 「やれやれ、気の短い方達ですねぇ……では、できるだけ手短にいたしましょうか。テティスが今『来訪者と関係あるのか』と問いましたが、これは非常によい質問です。私が考えるに、この来訪者こそが――」 「神――書き手の影、ということか?」 「その考えは面白いわね……。この世界が物語であるという発想も。でも、そう考える根拠は何なのかしら? ヴァーユ」 「根拠ですか? いくつかありますが……いずれも根拠足り得ないほど薄弱なものです。無いに等しいかもしれません。それこそ〝強すぎるから〟とか、その程度のものです。しかし、そんな中で僕が個人的に最も有力だと思う根拠は……我らの神が、何故来訪者を必要としているのか……その答え、なのです」 「ああ……つまり、我らの神は『来訪者が神の影』であるから来訪者を求めるのだ――と、貴様はそう考えたわけだな?」 「あのお方は、今はまだ真の神ではないわ。でも、だからこそ真の神に成り代わるための計画を進めておられる……。あのお方が来訪者の〝捕獲〟をスピリット回収と同じくらい重要な目的としたのは、来訪者もまた、自らが真の神になるために必要なパーツの一つであると考えたからなのね……。そして、何故来訪者が真の神になるためのパーツ足り得るかというと……」 「そうです。来訪者こそが、真の神――その影――つまり、真の神の要素を持った存在であると、あのお方が確信されたからではないのか。僕はそう考えたわけです」 一通り語り終え、ヴァーユはすっかり冷めてしまった紅茶を口に含む。そしてヴァーユがそうするのととほぼ同時に、フィルとクーエルもまた、一息吐くべくカップに口を着けた。 理不尽な来訪者。 彼らの神のパーツである以前に、たった一人でこの世界のあらゆる存在の心と秩序を乱す者である。 フィルは思う。 ヴァーユの推理――いや、想像は面白い。だが、決してそれ以上のものでもない。仮にもし本当にこの世界が小説であるのだとすれば、彼の想像はきっとどんな推測よりも真実に迫ったのもなのかもしれない。だが、仮定はあくまで仮定である。そしてこの場合の仮定はいかにも現実的ではない。 この世界が小説だとすれば? そんな仮定は、面白い想像以外の何物でもないのだ。 だが。 ――先ほどの、あの声だ。 自分がロリコンであることがバレ……ゲッフンゲッフン。ロリコンの疑いが掛けられた時に聞こえてきた声は。 ――あれこそが、ひょっとしたら……。 神――この世界の書き手――の声だったのかもしれない。 そんな考え……閃きと呼ぶにしてもあまりにも貧弱な思いが、フィルの脳裏をフとよぎる。 ――いや、まさか……な。 彼の脳裏をよぎったものが真実であるのか、はたまたただ面白いだけの絵空事なのか……それはきっと、彼自身には終ぞ知り得無いことなのだろう。 いや、きっとそうなのである。そうに決まっている。――そうしよう。ヴァーユの言うとおり、神は不在であるが故の絶対者なのだから。 「または彼はひょっとしたら――ああ、これは先ほどの『この世界が小説だったなら』という仮定に基づいた話ですが――トリックスターなのかもしれませんねぇ」 「トリックスター……?」 「ええ。神話や物語の中で、神や自然界の秩序を破り、物語を引っ掻き回す悪戯好きなキャラクターのことです」 「『夏の夜の夢』の妖精……パックのようなキャラクターかしら?」 「おやシェークスピアですか……。そうですね、まさにパックはその代表格といえましょう。他にも日本神話のスサノオ、封神演義の哪吒太子、ギリシア神話のプロメテウス、キリスト教のルシファー、北欧神話のロキなどがこれにあたります」 「神や自然界の秩序を破り、物語を引っ掻き回す――か。まさに来訪者そのものだな。ハマり過ぎて、出来過ぎというカンすらある」 「ねー、その話ももういいよぉー。違う話しようよー」 テティスはテーブルの上に顎を乗せ、いかにも退屈であるという声を出した。どうやら、先ほどから自分が全く話に入っていけないことが彼女の不満であるらしい。 「来訪者じゃなくてさー……そだ、ウィザーモン! ウィザーモンは何者なのかなー? 来訪者と同じく正体不明……だよねぇ?」 「ふむ。そういえばそうだな。我々の目的には直接の関係がないため今まであまり気にしていなかったが、あれもまるで正体がわからん」 「来訪者を倒そうとしているらしい……というところからすれば、僕たちにとって敵となるべき存在には違いないのですが……。こちらは目的は分かるけれど、正体は来訪者同様不明ですからね。イグドラシルの反応からして、どうやら外から来たらしい……ということしか分かりません」 「カルロは確か、『ビンビン感じるぜ』とか言っていたよね? 正体は分かってないようだったけど、何か自分と引き合うものを感じてたみたいな……」 「来訪者の調査のために出て行った時も、実は最初にまっすぐウィザーモンとの接触を図りに行ったようだったわね。マーレの話だと、どうもコテンパンにされたようだったけれど」 「え? あのカルロがボコられたのー? じゃあさ、ウィザーモンて強いんだ? 成熟期なのに」 「メモリは解放しなかったと聞いたわ。けれど……未解放とはいえカルロを退けたとなると……あのウィザーモンは少なくとも完全体以上の力を秘めているということになるわね」 「何? 私はセントガルゴモンの記録を見て確認したが、そんな様子は全く無かったぞ。寧ろ私は、あれと一緒にいたオッドアイのガキが変態的なまでに切れ者だったということの方が印象に残ったのだが……。〝動いたら止まる〟というハッタリによって動きを封じて気化金属を冷却するための時間を稼ぎ、セントガルゴモンの関節を固着させることで本当に動きを封じてしまう。しかしその過程すらもウィザーモンが雷雲を呼び、動きを止めたところに完全体の大技を存分に叩き込んで装甲にヒビを生じさせるための時間稼ぎでしかなかった。つまりこの二つ目の時間稼ぎは、いわば機械系にとって一撃必殺となり得る雷を決めるための一石二鳥の策であったという……。雷撃を叩き込むということを軸にして遡り、ハッタリまでを組み上げる……いや、セントガルゴモンにヘビーメタルファイヤーを浴びせるところか。……これはとてもじゃないが、人間がその場ですぐに思いつける策ではないぞ」 「そのオッドアイの少年は天才……ということですね」 「いや、変態だ。天才すら凌駕しているように思える。私は歴史上の有能な軍師の名を普通よりも多く知っているつもりだが……これほどの策士は人類史上初だと思うな。かつての天才達を超越した――そう、人間の、種としての新たな地平という意味で――あのオッドアイのガキは変態なのだ」 「うわぁ、変態が何か言ってるゥ。……うぷぷ」 「誰が変態かァッ!!」 「フィルは変態だとしても、ウィザーモンは本当に何者なのかしら? そんな天才……変態的な頭脳を持つ少年を引き抜いて、来訪者を倒そうとするなんて……」 「フィル、他にセントガルゴモンの記録から……いえ、今までのあらゆる個体の残存記録から分かったことは何かありますか?」 「む……そうだな。これといったものはないが……ああ、何か道化者のような奴らしい……ということくらいか」 「道化者? ピエロなの?」 「いわゆる天然ボケのようなフシがあるようだが……こんなことは関係ないか」 道化者。ボケ。その二つの言葉を聞き、ヴァーユは目を細める。 「フフ……ひょっとしたら、彼もトリックスターなのかもしれませんね」 「それはどういうことかしら。確かに、彼もまたこの世界を引っ掻き回しているようだけど」 「トリックスターは、時には抜け目ない性格に描かれ、時には愚か者として描かれることもあるのです。ああ、両方の性質を併せ持つ者もありますが。……ウィザーモンの性格は、このトリックスターに則ったもののように思われます」 「ま、〝面白い想像〟の域を出ない意見だな」 フィルはほんの少しだけ、ヴァーユの絵空事に対して敏感になっている。 「ええ。しかし……この来訪者あるいはウィザーモンがトリックスターであるという説がもし真実であるとするなら……これはある意味で厄介です」 「厄介? そう厄介ね。引っ掻き回されるのは――」 「いえ。ただ引っ掻き回されるだけならまだマシなのですが……。トリックスターというのは、タロットカードの『愚者』とも関係が深いとも言われているのです」 「タロットカード? 愚者?」 「はい。愚者は、タロットカードのメジャーともいえる『大アルカナ』に属するカードの一つです。二十二枚のカードより成る大アルカナ。各々のカードには番号が振られていますが、愚者のカードの番号は『0』です」 「0。何か……特別な位置にあるカードという印象を受けるわね」 「そうですね。愚者のカードはトランプのジョーカーの原型という説もあったそうですが……まぁ、この際これはそんなに重要ではないことですね。重要なのはトリックスターと愚者のカードの関連性。そしてこのカードの意味するところなのです」 「ふーん? ヴァーユって、なんかタロットとか占いとかくわしそー」 「テティス貴様、肌の色だけで何となく言っただろう」 「うん。占い師っぽいし」 「さて、トリックスターとの関連性とカードの解釈は内容が一部重複しますから、……そうですね、まずはカードの解釈から語らせていただきます。愚者のカードというのは、先ほどクーエルが言った通り、特別な位置にあるカードといっても過言ではありません。というのも、やはりこれもクーエルが言った通りカード番号が0であること、そして、このカードに描かれている人物は二十二枚のカードに描かれている人物の中で唯一移動中のものであるということから来る説なのです」 「その、カードに描かれている人物というのはどういう人物なのかしら?」 「愚者って、バカってことでしょ? じゃあたぶんフィルみたいなアホ面に決まってるよー!」 「……その言葉、そっくりそのまま貴様に返すぞ。――これは尽読ではなく純粋な予想なのだが……きっと、その人物の容姿がトリックスターとの関連性の根拠となるものなのではないか?」 「流石はフィルですね。話が早い。十六世紀から十八世紀までヨーロッパで主流だった『マルセイユ版』と呼ばれるデザインのタロットがあるのですが、ここに描かれている愚者はトリックスターとの共通点を多く持っているのです。マルセイユ版の愚者は、派手な衣装を身につけ、王冠を被り、先に袋の着いた棒を持って野を歩いている……というデザインなのですが、これはトリックッスターの持つ二面性や奔放さを如実に表しているデザインなのです」 「奇抜な格好をした旅人が……か?」 「はい。まず派手な衣装ですが、これはその色合いや形状から、まるでピエロを連想させるような衣装なのです。そして次に王冠ですが、これは言うまでもなく権力の象徴ですよね。更に言うなら、王冠は神からと交信を図るためのもの……つまり霊的な力の象徴でもあるわけです。つまり、この時点ですでにこの人物は『道化者』と『霊的な力を備えた権力者』という二つの側面を持っている。そして袋の着いた棒……これは、男根の象徴であるといわれています」 「え? 何? 男根て」 テティスが無垢な瞳でフィルに尋ねる。 その瞳があまりにも穢れ無き少女のそれであったため――いや、たとえ濁っていようが少女の姿をした者に男根のなんたるかを説明しようと思うと――フィルはどう答えたものかと戸惑ってしまう。 「む……いや、何と言えばいいのか……そうだな――」 「つまりね、おチン●ンのことよ」 クーエルが妙にはっきりとした、いやに生生しい口調で答えた。 「へー……チン●のことかぁ。ってやだ……なんかその名前を口にしただけでアタシの口が穢れちゃったような気が……」 「あら……そんなことを言っては男性陣に失礼よ。フィルもヴァーユも、皆チン●を持っているのだから。それにチン●は決して汚らわしいものではなくってよ。アレは良いものだわ。……ねぇヴァーユ?」 「フフ……流石によくご存知で……。そうですね。汚らわしいものと捉えられてしまうのは些か不本意です。良いものかどうかは……ま、その人によりけり…… ですが」 ヴァーユは薄笑いを浮かべながらフィルに視線を送る。 「なっ……! ちょ、待て! 何故そこで私を見る!?」 「ひょっとして、フィルのチン●は良いものじゃないってことー? うぷぷ。可哀そう!」 「誰が矮小かぁ!」 「ゲッフンゲッフン……さて、話を戻しましょうか。男根というのはそもそも豊穣と繁殖の象徴です。そしてこれもまた、数多くの神話に登場するトリックスター達と浅からぬ関わりを持っている……。以上が愚者とトリックスターの、容姿における関連点です」 「容姿における……ということは、それ以外にも何か関連するところがあるということね?」 「いかにも。愚者は旅人であるということは言いましたね? そこに起因するものなのです」 「旅人であること……だと?」 「ええ。何故愚者のカードには、二十二枚中で唯一移動中の姿が描かれているのか、その理由は色々と考察・研究がなされていて、トリックスターとの関連性はその研究と考察の末に導き出された回答ともいうべきものなのです」 「回答……つまり、愚者が何故旅をしているのか……その問いに対する現在最も有力な見解が、トリックスターとの関連性を示唆している、ということなの?」 「はい。何故旅をしているかという謎の答えは主に二通りあり、愚者は0番のカードであるから、一から二十一番までのカードを順に渡り歩いているのだ……とするものと、他の二十一枚のアルカナを全く意識せずに自由気ままに歩き回っているのだ……とするものがあります。――そしてこの二つの見解は一見すると相反するものなのですが、実はこの二つは〝両方とも正しい〟とするのが通説なのです」 「両方とも正しい……そうか、愚者のカードは、相反する二つの側面を持つものであると……そういうことなのだな?」 「はい、その通りです。愚者はその容姿にも相反する要素を持ち、その行動原理にも相反する解釈がある――ならば、愚者はきっと二つの矛盾する側面を併せ持つものなのだと、研究者達はそういう理解をしたわけです。或いは、そもそもタロットカードというのは正位置と逆位置で違った意味を持つわけですから、この愚者というカードはタロットの本質を表すカードなのではないのかと――僕なんかは勝手にそう思っているわけですが」 「成程な。いや、それにしてもヴァーユ貴様、その知識は一体何なんだ? まさか本当に占いが好きなんじゃないだろうな?」 「占いですか? フフ、嫌いじゃありませんねぇ。ある意味では、宗教と同じ意義を持つものですから」 「同じだと? 占いと宗教ががか? それはまたどういう考えだ?」 「〝ある意味では〟同じと言ったんです。そこを間違えてはいけない。……これについてはまた後日としましょう。長くなりますから」 「もう十分ながいけどねー」 「そうね……。愚者が相反する二つの側面を持つということ自体、計算高さと愚かさの二面性を持つトリックスターとの関連点であると……そう考えてよいのかしら?」 「ええ。上手くまとめていただけて助かります。他にも解釈からの推理であるとか、推理からの関連付けやら雑事はありますが、大雑把にいうとそんなところです。……さて、大事なのはこれからですね。何故トリックスターが愚者と関係性を持っていると、何故厄介なのか……です」 「やっとこぎつけたか……。今までのが全部前置きだと考えると、嫌気がさしてくるな……」 「大丈夫ですよ。内容が重複しますから、ここからは短くすみます。――愚者の絵柄はタロットの版の数だけ存在するわけですが、先ほども名前を出しました『マルセイユ版』に描かれている愚者の絵柄をその代表として話を進めましょう。このマルセイユ版の愚者というのは、抽象的な絵柄の為、見方によっては後ろ歩きをしているようにも見えるのです。これは愚者の持つエネルギーが無意識的なものであり、一定の方向性を持たず自由気ままに放たれていることを表しているのですが、しかし、同時にそれ自体が目的であるとも解釈されており、先ほども言った、〝このカードの二面性〟を示す要因として扱われているのです。そしてマルセイユ版には愚者の後ろに犬が描かれているのですが、その犬は描かれた人物のズボンを食い破っているのです。しかし、人物の方はそれを全く意に介する様子はない。この人物の衣装や持ち物が相反する要素を持っているということは先ほども説明した通りですが……実はこの人物は自分の衣服、さらには自分の持つ棒や荷物、果ては進んでいる方向やその目的、自分を取り巻く環境のいっさいについて特にこだわりや興味などは持ち合わせていない……という見方があるのです」 「何事にも無頓着……ということかしら? それがどういうことになって厄介だと――」 言葉の途中でクーエルはハッとする。ようやくヴァーユの言いたいことを捕まえたのである。 「ああ、分かったわ……。つまり、愚者――即ちトリックスター――即ちウィザーモンや来訪者は――〝実は全く目的を持っていない存在である〟……そう言いたいのね? ヴァーユ。……でも、それがどうして厄介なのかしら?」 澄み切ったブルーの視線を受け、ヴァーユは穏やかに微笑む。 「ええ……その通りです。しかし、あと〝二歩〟足りませんね」 「待て……そんなことがあるのか? ウィザーモンは来訪者を倒すという目的があるのだろう?」 「ええ。ウィザーモンは目的がありますから、これは該当しません。そもそも普通のトリックッスターは他のキャラクターと同様、目的をもって行動するものですからね。……しかし、普通のトリックスターでなかったなら……トリックスターのような〝愚者〟であったなら――そして、来訪者がそうであったなら」 「来訪者は……その正体も目的も不明だわ……けれど、実はそれらは〝最初から無いものである可能性がある〟と……ヴァーユ、あなたは――ああ、本当に回りくどくて腹が立ってきたけれど――そういうことが言いたかったのね?」 「ええ。その通りです。……しかし、あと一歩ですかねぇ」 「来訪者の目的が無い……いや、失念していたが、これはあり得ることだ。勿論あくまで可能性だが……分からない、見つからないものが、実は最初から無いということは十分にあり得る。河童を探しても見つからない。しかし実は見つからないのではなく、河童は最初からいなかったと――そういうことは十分あり得る。これは分かる。だが……〝正体がない〟ということはあり得ないぞ。ネッシーは玩具、スカイフィッシュはハエの残像だ。いや、実際にそういう生物がいたのだとしても、その正体は〝そういう生き物〟なのだ。玩具でないなら生き残った恐竜、ハエの残像でないなら未確認の生命体。いずれにしろ正体はある。正体が無いなんてことがあるものか。それとも何か? アンチェインを初めとしたロイヤルナイツが倒されたことも、イグドラシルが異常を感知したのも、ノナが選ばれし子供を殺し損ねた原因も……全ては〝気のせい〟だったとでもいうのか? 実はそういうのがいたような気がしたというだけで、実は何もいなかったのです……と。〝正体が無い〟というのはそういうことだろう? そんなことがあるものか。それに、気のせいだった、勘違いだったとして、その場合はその気のせいや勘違いを引き起こした現象なり、原因が来訪者の正体なのだ。〝正体が無い〟という表現がそもそもあり得ない」 「それは違うと思うわフィル。ヴァーユはあと一歩と言ったんだもの。まだ何か……あと一歩踏み込んだ解釈が……。ああ、もしかしたら……〝来訪者は来訪者〟といういことじゃない? 来訪者の正体がデジモンや人間、今まで私たちが知り得たものの中のいずれかだと思い込むのが間違い。来訪者は、来訪者という種……そういう生物なのだと捉えることが正解なのだと……」 「いや、それはだから、『ネッシーの正体は恐竜の生き残り』ということだろうが。来訪者の場合で言えば、来訪者の正体は来訪者という名の未確認の存在―― いや、この度生まれおちた新たなる存在でもいいが――ということになる。〝正体が無い〟ということは、やはりあり得んぞ」 「やれやれ……最後の一歩は僕の後押しが必要なようですねぇ……」 「何か……偉そうね」 「お二人とも失念しているようですね。この話が〝もしこの世界が小説だったなら〟という仮定の上のものであると」 「何だ? それが何か関係あるのか? 小説だったら〝正体が無い〟などというふざけたことがことがあり得るとでも……? そんな――いや、待てよ」 「正体が無い……虚構ならな許される……それは……ああ。今度こそ本当に分かったわ。――『マクガフィン』ね?」 「マクガフィン――ああそうか。ヴァーユ、貴様が言いたかったのは……トリックスターからの流れで貴様が言いたかったことは、『来訪者はマクガフィンに過ぎないのかも』ということだったのかッ! な・ん・と・回りくどい奴だッ!」 「――やっと、僕のステージに上がられましたね。お二人とも」 ヴァーユはいつもより一層目を細めてほほ笑む。やっと肩の荷が下りた――そういう顔である。 だがその一方で、フィルとクーエルは逆にどっと疲れたというように、椅子の背にもたれかかった。無理もない。一言で済ませようと思えば十分済んでしまうことを、このヴァーユという青年は熱い紅茶が完全に冷め切るほどの時間を浪費して延々と回り道して説いたのだから。 本来ならばしなくてもよい苦労をしてしまった時、そしてそれに気づいた時ほど損をした気分というのはないものである。 「え? 何? マフィン? アタシ、マフィン好きー!」 「……マフィンではないわよテティス。マクガフィン」 「マック? のマフィン……?」 「テティス、マクガフィンというのはですね、要は仕掛けです」 「仕掛け……?」 「そうです。何かしらの物語を構成する上で、登場人物への動機付けや話を進めるために用いられる仕掛けのひとつですね。登場人物たちの視点、あるいは読者・観客などからは重要なものだけれど、作品の構造から言えば、他のものに置き換えが可能な物がそう呼ばれるのです」 「んー? や、ぜんっぜん分かんない……」 「もともとは映画用語か。確か、ヒッチコックだったか……? 要はスパイ映画で言うところの重要な書類で、泥棒映画でいうところの宝石だな」 「んー……分かったような……分かんないような……」 「テティス……あなたは、『はんにゃ』というお笑い芸人のコンビを知っていますか?」 「はんにゃ……? あ、知ってるー! ズクダンズンブングンゲームの!」 「そうです。そして、そのズクダンズンブングンゲームこそがマクガフィンなのです」 「へっ……? どゆこと?」 「はんにゃの代表的コント、『ズクダンズンブングンゲーム』。これはボケがズクダンズンブングンゲームという、ルールも何かもが意味不明な架空のゲームにツッコミを巻き込むというところから始まります。そして、ゲームの進行上でその不条理で読めないルールにツッコミが入っていく……という流れですね」 「コントや漫才って、そうやって分析すると酷くつまらなそうに聞こえるわね」 「私はそのはんにゃとかいう芸人すら知らんぞ」 「テティス、ついてこれますか?」 「うん、だいじょぶ」 「では、このコントにおいてズクダンズンブングンゲームは他の何かに置き換えることが可能であるということは分かりますか?」 「置き換える……?」 「そうです。ズクダンズンブングンゲームという遊びは、コントを見る限りでは、リズムに合わせて奇妙なダンスを踊り、その点数を競うというものです。しかし、このコントを繰り広げるうえで必要なものは〝わけのわからない架空のゲーム〟であり、それが必ずしもズクダンズンブングンゲームである必要はないわけですね」 「あ、そっか! 今度は分かったよ。――コントの中のキャラクターとしての二人は他ならぬズクダンズンブングンゲームをしてるわけだし、お客さんからしてもズクダンズンブングンゲームがコントの中心に見えるけど、作り手からすればそのゲームは条件に合ってさえいれば別になんでもいい……ってことなんだね? だからスパイ映画の書類で、泥棒映画の宝石なんだ」 「よくできました」 「あれ? でも……マクガフィンがどういうものかは分かったけど、どうしてそれが〝正体が無い〟っていうことと繋がるの? てか来訪者の話だよね?」 「ズクダンズンブングンゲームは……最後どうなります?」 「え?」 「最後にズクダンズンブングンゲームの全容は明かされますか?」 「ううん、結局最後までわけが分からずに……って、あ! そうか! マクガフィンは動機とか口実のためのものだから、最後までそれが何か明かされなくてもお話が成り立つんだ!」 「そうです。賢いですね。つまり、この世界が小説であるならば、来訪者は我らが神、選ばれし子供達、そしてウィザーモンを一堂に会させるためのマクガフィン……といったところでしょう。そして動機付けにすぎないからこそ……来訪者は、〝正体が無くても許される存在なのです〟。むしろ大事なのは、私たちがあれを巡ってどういう戦いをするか……ということであり、そもそも来訪者の正体は寧ろどうでもいいということに――」 重ねてフィルは思う。 この世界はそもそも小説ではない。だから、ヴァーユの言うことはただの楽しい絵空事でしかない。 いや。 本当にそうだろうか。 重ねて思う。 〝出来過ぎている〟と。 ウィザーモンがトリックスターにしろ、来訪者が神の影にしろ、愚者にしろ、マクガフィンにしろ……全てがハマっているように思える。 この世界はそもそも小説ではない。 しかし、あの時の声は――。 「ねぇ、それでどうして来訪者がマクガフィンだと困るのぉ?」 「マクガフィンは……マクガフィンだから……ね?」 「うー、わかんなーい!」 「つまりだな、マクガフィンはマクガフィンである以上、マクガフィン以外の意味を持たないのだ」 「……えー」 「何せ、マクガフィンですからねぇ」 「分かんないっつーの!」 「おやおや、どうやらこの答え自体もマクガフィンであるようですねぇ」 「ムダに綺麗にまとめんなぁーーー!」 その後三十分ほど雑談して、この場はお開きとなった。 もともと、さしたる用事があって集まった訳ではないのだ。カウスの死を報告するというイベントはあったものの、別段それが目的であったというわけではない。ただの、いつもの三時のおやつというだけである。 クーエルが席を立ち、続いてヴァーユが席を立つ。 まっすぐに部屋を出ようとしたクーエルの背に、ヴァーユは声をかけた。 「クーエル、どうです今夜。一発」 この青年は、己の情欲をオブラートに包む気すらないらしい。 「遠慮するわ。あなたはねちっこいんだもの」 「おやおや……手厳しい」 ヴァーユは、去りゆくクーエルの背中を見ながら大げさに肩を落として見せる。 道化者の仕草である。 この世界が小説などであるはずがない。あってたまるかと、そう思う。 だが、もし本当に小説ならば――トリックスターは、来訪者でもウィザーモンでもなく、あのヴァーユなのではないかと、フィルはそう思った。 抜け目ない愚か者。それがトリックスター。 フィルはヴァーユに尋ねたいことがあった。コロッセオでのことである。本人からの報告によると、「炎のスピリット二つと闇のスピリットHを回収した。選ばれし子供達に出くわし、子供達の中に光のスピリットの使い手がいることを確認した」とのことであった。 ――何故、その時光のスピリットを奪わなかったのだ? 〝神の完成〟のためには、全てのスピリットが必要である。それに、ヴァーユの実力で選ばれし子供達に勝てないということもあるまい。デファンスシティでの戦いぶりを見る限り、彼らはあそこで初めて究極体――ウォーグレイモンに至ったようであった。その際の進化のメカニズムは是非知りたいところだが、それはまた別の話である。 ――コロッセオの時点での子供達に、ヴァーユが勝てないはずはないのだ。 ならば、何か奪わなかった理由があるということだろうか。報告を受けた直後に本人に問うたところ、「ああ、そういえば忘れていました」と惚けられてしまった。 ――抜け目ない愚か者……。 トリックスター。 神話や物語の中で、神や自然界の秩序を破り、物語を引っ掻き回す悪戯好き。 ――そもそも普通のトリックッスターは他のキャラクターと同様、目的をもって行動するものですからね。 考え過ぎだろうか。 ――ならばお前の目的は……何だ? 考え過ぎであってほしい。 ――他にも日本神話のスサノオ、封神演義の??、ギリシア神話のプロメテウス、キリスト教のルシファー、北欧神話のロキなどがこれにあたります。 北欧神話のロキは、神々を裏切って戦争を挑んだという。 ――フッ。下らん。 所詮は楽しい絵空事。 「お嬢! チョコレートケーキ! 焼けましたぜ!」 「おーそーいー!」 ただの雑談の、話の種なのだ。 フィルはそう自分に言い聞かせ、チョコレートケーキのほろ苦い香りに後ろ髪をひかれながら――席を立った。 BACK LIST NEXT
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序 「おまえら下ネタに毒されやがって ※※※」 そんな卑猥な会話をしているのはCSOクラン「上海アリス幻樂団」のメンバー「紅の門番」(以下【門】である。 「なんだこのクランwww」 ツッコミを入れたのは、クランマスター「xユウx」(以下【ユ】 「おれ以外みんな変態とかいってたのだれだ」 こんなことを言ってるのは、0371小隊隊長「Mugetu」(以下【M】 「・・・」 明らかに引いているのは真メンバー「雨宮天音」(以下【雨】 「もみじもみもみ」 意味がわからないことを言ってるのは「賢狼椿」(以下【椿】 「0371小隊www」 このクランのようz(ry メンバーRum1A(以下【R】 「門番とならどこでも・・・///」 門番に憧れている「劉嗣」【劉】 この物語はこんな変・・・英国紳士が巻き起こす幻想物語である。 ( 10年1月27日追加) 【 10 1/27追記】誤字→×Mgetu ○Mugetu むげつsすいません!犯さないでね! ↓ここにはこの話のコメントを残していってね! 名前 コメント 本日ノ来訪者 - 昨日ノ来訪者 -
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※当作品はオンラインゲーム「Deco Online」に関する2次創作です。 また、この作品は「Deco Online」公式の世界観や設定を踏まえた上で、更に独自の世界観や設定を加えておりますので、公式のものと合致しない部分もありますことをご了承ください。 なお、この作品は非公式であることをご承知願います。 大海『あー、疲れた…。』 ミレナの拠点、市街地に辿り着いて、ナイトである大海はやっと一息ついていた。 「蛮族の国」と敵国レインに言われ続けるミレナだったが、その首都とも言えるこの市街地は、いろいろと最新の技術が集まっている。敵対国であるレインのものから、国とは言えない規模の土地…村を指すことが多いが…そういった村々のものも集まるのだから、一番ミレナでは穏やかで文明的な土地と言える。 もっとも、それだけに人が多くて、「常に知らない顔があり、一度見た顔を再度見ることは叶わない」とも、市街地にたまに訪れる商人たちから言われていたが。 そのぐらいに人は多く、行き交いが激しければ、人の顔を覚えるのは面倒になる。それを皮肉込みで表現したに過ぎないが、少なくても顔見知りに会えば声をかける、というのは日常的な光景だ。 だから、大海を見つけた女性は、大海に声をかけてくる。 ミスルティ『おじさん臭いねー、マスター。』 大海『うっ…。その声はミスルティ?』 ミスルティ『正解ですよ。』 大海が見上げた先に居た女性は、笑顔だった。 無意味に大きなリボンなどしているのが特徴的だったが、彼女の髪の黒色に合わないような桃色のリボンである。大海としては、黒に映えるようなリボンの色にしていないのはもったいないと常日頃から感じていることだ。 ライトグリーンのリボンぐらいでも、桃色のそれよりはマシなはずだ。というより、大海の本心として、ミスルティにはライトグリーン辺りのリボンに変えて欲しい。 もっとも、ミスルティの場合はリボン以上に似合わないものを持っているので、そんなことはどうでもいいのかもしれない。 ミスルティ『もっとも、マスターをマスターと呼ぶのは私ぐらいでしょうけれど。』 大海『相変わらず、似合わない剣だねぇ。』 疲れていたから、大海はミスルティの話を切ってしまう。 リボン以上に彼女の魅力を殺いでいるのは、彼女が持つ大きな剣だ。 ミスルティ『見慣れればそれほどでもありませんよ?』 言われた女性、ミスルティは自分の身長に近いほどの大きな剣を持っているのだ。 時代が時代なら、あるいは場所が場所なら、クレイモアや斬馬刀とか言われそうな代物である。男性でも扱えない者が多い大剣で、とてもではないが、女性が扱えるような武器ではないはずだ。 大海『重くないの、それ。』 ミスルティ『重いですよ。だから、両手をそえていますでしょう?』 大海『そうだけど…。』 ミスルティ『私は剣だけが重いですし。…私からすると、ナイトなマスターは防具類全てが重そうですよ。』 大海『それもそうなんだけど。』 剣は鉄が中心である。だから必ず、見た目よりも重くなる。 まして身長ほどの剣となれば、女性が両手で持てる重量ではないだろう。男性でさえ、背丈ほどある剣を持てる者はそう居ないはずだ。 それと同じように、全身を強固な鎧で固めるナイトも非常に動きが鈍くなる。ミスルティが言うまでもなく、男の大海でもこの鎧の重さというものは辛い。ナイトである大海は今、正規装備である鎧の重量で動けなくなるのがそろそろか、というほど疲労していた。 だから大海の本音はミスルティとの会話もさっさと終わらせて眠りたい。そこに集約される。 大海『ミスルティ、今日は狩り終わり?』 ミスルティ『はいなー。マスターは?』 大海『俺も今日は終わりかなぁ。んじゃ。』 ミスルティ『ちょ、マスターっ。』 大海『どわっ。』 背を向けたところまではよかったが、ミスルティの行動を読めなかったのが大海の失敗だった. ミスルティが、大海の背中に抱きついてきたのだ。 これで倒れたりしたら、ミスルティに怒られる。 そう、怒られるのだ。ミスルティは、理不尽にも「私は軽いんですから、転ばないでください」とか言うのだ。既に何度か経験済みだから、わかりきっていた。 それは嫌なので、大海は何とか踏ん張って倒れずに済んだ。 ミスルティ『寂しい…。』 大海『あのなぁ…。俺は新参者連れて、今更…アレ…、そうキラガス。キラガスとかマロンだかガロンだか狩ったりで、気は萎えるし無駄に全力でやったし、で疲れてるんだぞ?』 自分より弱い相手を倒すのは余裕だと思われがちだが、実際はそうでもない。 身体的疲労ではなく、精神的疲労のほうが酷いのだ。狩ったところで、ためになるようなことがないからだ。 まして、大海自身には自分より弱いものをいたぶる趣味がないから、自然と精神的疲労が大きくなる。 もう少しわかりやすくすれば、相手にならないほどに弱いモンスターを狩ることは、数百匹単位の蟻を潰す作業に似ていた。疲れるだけで、得した気分にはならない。人によっては違うかもしれないが、蟻を潰したところで、人は成長しない。その事実は変わらない。 ミスルティ『マロン…? 果物ですか?』 大海『あ、いや、こっちの話。ガロンだ。』 キラガスにしろ、ガロンにしろ、大海の敵ではない。防具、武器を捨てて素手で殴り合っても、絶対勝てるだろう。そういう手合いは、本当に疲れる。 ミスルティ『それはそうとして、アレとか言うのは記憶力、やばくなってます?』 大海『憐れんだ目で見るなよ…。』 疲れきった様子の大海だが、それでもミスルティを支えているのはさすがだった。 そういう真面目さが、ミスルティのわがままを許しているようなものだということを、大海は自覚していない。 ミスルティ『マスターは頑張り屋さんですからねぇ。』 ずるずる。 大海『っていうか、マスターって止めない? 恥ずかしいんだけど。』 ミスルティ『私は恥ずかしくないです。マスターは人の上に立てる器ですよ。自信を持ってください。』 ずるずるずる。 大海『俺はそんなんじゃないんだけどなぁ…。』 ナイトとしてそれなりに戦果を出してきた大海が最近、よく言われる言葉だった。 何もミスルティだけではなく、周囲の人からパーティーのリーダーを頼まれることもあったし、ギルドのマスターにならないか、と言われるのである。 大海自身としてはそういうのは肌に合わない、と思うので逃げているのだが、それでも言われることが多かった。 理由を聞いても、人によって回答が違うのも、大海がその薦めを受け入れられない理由のひとつだ。曰く、カリスマだから、女殺しだから、回避も防御もできる両利きナイトだから、何か偉いっぽいから、壁としてデコイをしてもらっても損失感がなくて使い捨てできそうだから。そんな理由を言われても嬉しくない。 ミスルティ『…どこまで行く気でしょう?』 大海『お前次第だ。』 ずるずるずる、ずる。 ミスルティが半ば背中に乗っかっている状態で、大海はさっきから少しずつ歩いていた。 ミスルティ『うーん、このままだとナイトの宿舎手前まで、ですかね?』 大海『そうさな。』 スレイヤーと言われる職の人間であるミスルティは、ナイト専用の宿舎には入れない。 ミスルティ『…まだ、記憶は戻りませんか?』 引きずることも、引きずられることも気にしないようにミスルティと大海の会話は続いた。 大海『…あぁ。戦闘技術、この世界のこと、自分がミレナでナイトをやっている、そんなものだけさ。…ミスルティに拾われる前の記憶は無い。』 ミスルティ『そっかぁ。』 この2人の出会いは、最近である。 1ヶ月ほど前、ミスルティが狩りで遠征していた場所に大海が倒れていたのだ。 軽い火傷、それから怪我。どちらも治癒された跡があって、どうも不自然だった。 跡と言ったのは、完全な治癒はできていなかったからだ。本当はもっと重度の火傷、重体の体であったのだろうと予想できる程度の治癒が施されていたのである。しかも、それが故意であることは見て取れた。 そのぐらいのレベルの治癒ができるぐらいなら、もっとマトモに治せたはずで、少なくても、治癒したままで大海を放置しているというのは不自然すぎた。 ミスルティ『まぁ、運が良かったよね。』 大海『全くだ…。』 強いモンスターが現れるようになってしまい、本当に人が来なくなった土地でのことだ。火傷、怪我。然る後に衰弱が待っている。ミスルティが見つけていなければ確実に大海が死んだことは容易に予想できた。 大海『…感謝してるよ。レイにも、ミスルティにも。』 倒れていた大海をミスルティが担いで近くの村に戻り、そこに居たスナイパーのレイに、応急処置として回復の矢をあるだけ大海に撃ち込ませたのだ。レイが居なければ、大海は衰弱で死んでいただろう。レイに回復されてから、すぐに市街地にある病院に担ぎ込まれて、ようやく大海は生き残ることができた。 大海『…で、いい話はいいんだけど、いつまで俺にくっつく?』 ミスルティ『んー。マスター次第です。』 大海『ったく…。そっちのギルドはどうしてるんだよ。』 ミスルティ『…あー、聞きたくありません。聞こえません、マスター。』 大海『おい…。』 概ね、ミレナは今日も平和なのである。 …レインという敵国さえなければ。モンスターさえ闊歩しなければ。難民というものにさえ、気を向けなければ。 そんな「なければ」が前提な、上辺の平和でしかないのが今のミレナという国だ。大海もミスルティも、そこは熟知している。 大海(レインはいいんだ。国があれば対立するか、協力するしかない。それが対立しただけのことだから…。) 国同士の協力は、戦争中であるレインとミレナの間にも無いこともない。国境の緩衝地帯では互いに牽制をしながら、そこに現れるモンスターを討伐している。公然の秘密ということでミレナ城の城下町であり、ミレナの首都でもある市街地ではレインの品物が一部だけだが流通しているし、レインの首都である市街地にもミレナの物品は並んでいるのだと聞く。他にも、協力しあっているところはある。 それなら戦争する必要がない、と見えるかもしれないが、そうはいかないのだ。 クライス大陸、というひとつの大陸の中では、レインとミレナというふたつの国は大きすぎるからだ。どちらかが属国や併合できるようなバランスであればよかったのに、両国ともに大きすぎて、どちらかがどちらかの傘下に入る、ということを互いに許容できなかった。 第一、レインはミレナから追放された者たちが形成したような国家である。そのレインは数度、ミレナという国を崩したこともあり、互いが互いの存在を許せなくなっていることが最大の理由だろう。それで未だに戦争状態が続いていて、互いの国家を維持するためだけに必要最低限の、場合によっては必要最低限未満の協力しかしないのだ。その協力が、両国の頭を悩ませているモンスターの討伐に代表される、いくつかの項目だけという話だ。 大きすぎる国は、敵が無ければ存続できない。が、敵だけが居ても持続しない。そういう事情で、ふたつの大国で協力しあいながら、敵対しているという奇妙な関係になっている。 大海(大体、来訪者の俺等は生き残ることができて、自分たちの世界に戻れるならそれでいい。この世界の戦争なんて、そんなに問題じゃぁ、ない。) 大海はこの世界、このクライス大陸出身ではない。こことは違う、異世界からここに現出した“来訪者”と呼ばれる人間らしい。何でクライス大陸に来ることになったのかもわからないのに、自分が居た世界に戻るためにはクライス大陸を散策する必要があると説明された。それだけなら面倒なだけの話なのに、このミレナとレインの戦争の所為で、散策が難しくなり、戦力という実力を要求されることになってしまった。 その結果、来訪者の多くは保護された国の軍に所属することになっていた。それが大海にとっては面倒だった。しかし、このレインとミレナの戦争はどうでもいいのだ。 実際、大海はミレナ軍に所属しているが、その任務の大半はモンスター討伐で、戦争の匂いを感じることは少ないから、あまり気にならない。戦争は他人事、と割り切れる。 大海(モンスターもどうでもいい。原生生物だから、不必要に縄張りに侵入しなければ安全だし、普段なら仕掛けなければ何もしてはこない。) モンスター討伐も、結局のところ、両国の領土拡大が大きな目的だ。一般人の居住区周辺の防衛でモンスター討伐を行うこともあるが、来訪者の多くが任されるモンスター討伐の実に80%近くが、領土拡大のためのモンスター討伐である。 モンスターにとっては実に迷惑な話である。そして、そのことについてはモンスターの方がまだ常識的であった。人間から仕掛けなければ、多くのモンスターは人間に襲い掛からなかったのだ。やられたらやり返すが、それは攻撃してきた犯人だけを狙うために、親の敵とばかりに人間全てを攻撃してくるわけではない。。中には人間を見つけると、条件反射のように襲い掛かるモンスターも居たが、それはモンスターの中では圧倒的な少数派だ。 自分の都合でモンスターに襲い掛かる人間と、やられたときだけ人間に反撃してくるモンスター。来訪者である大海には、人間よりもモンスターの方が良識的に見えた。 大海(問題は…難民だな…。) 来訪者の多くは不思議なことに、戦闘能力が高い。それこそ、訓練を終えて実戦配備される寸前の軍人並に、だ。 だが、中には戦闘能力が低く、軍に所属して面倒を見ても、戦果が期待できない者も居た。しかし、そもそも来訪者の数が多ければ、当たり前の話だが、その受け入れにも限界がある。 そこで、レインもミレナも戦果に期待できなさそうな来訪者を国外追放するようになっていた。「訓練したらいいじゃないか」という話もあるが、それならわざわざ来訪者を軍に要れる必要はなく、普通のクライス大陸出身者を雇えばいい。ミレナにしてもレインにしても、軍の上層部を生粋のクライス大陸出身者にするのが精一杯で、その他の部分には来訪者が多く組み込まれているのが現状である。 要するに、レインでもミレナでも、軍人不足だった。それを助けるように来訪者が多く現れたのは事実である。昔、軍人が多く居た頃は、来訪者はそれこそ稀人だった。 国の持つ軍人不足という問題と、戦闘能力が高く即戦力になり得る来訪者。その需要と供給のバランスがあったからこそ、レインやミレナは来訪者を受け入れていたのだが、供給である来訪者の数が急激に増えたので、即戦力にならなさそうな来訪者は受け入れなくなったのだ。 過剰な供給とは言え、記憶を所々失っている来訪者は、望んでクライス大陸に来たわけではない。それを、「戦力が無いから」というだけで放り出すのだからたまらない。 本当ならば大海は来訪者だか不明だったが、ミスルティに回収されて全快してから戦力考査を受けさせられた。「多分来訪者だから」という、よくわからない基準で、だが。だから、大海は自分が来訪者なのか、そうでないのか、そこのところを自覚できずに居る。 大海の場合、問題のその来訪者に関する入国考査は通常1日で決まるはずなのに、7日もかけられてしまった。別に、大海の戦闘能力は高水準であったので、すぐにミレナに入れると思っていたミスルティなどには心底心配させてしまったらしいが。 大海(俺はそれでも受け入れられたからいいけど…。わけのわからない異世界なんぞで放り出されて、追い出された国の敵対国に亡命しようとしたらそれさえ断られて…難民化した人たちは…。) それが最近、難民同士が集団を形成して、遂には軍を組織したらしい。“らしい”というのは、まだ公表されておらず、軍機に当たる事項なのだが、その難民の集団と難民軍から、何かの要求がミレナ国議会とレイン国議会に書状が提出された、ということを大海が知っているからだ。知っているだけで、事実確認がまだ途中であるために、確証が無いから“らしい”としか表現できない。 しかし、集団化した難民と、難民軍ができるのは大海からすると不思議ではない。異世界で生き残るためには、そうでもしなければ生きていけないということがわかるからだ。 同じ来訪者としては、ミレナ軍ではなく、難民軍に入りたい、と大海は少なからず思っている。もし、公言でもしたら、国家反逆罪でその場で死刑にされるかもしれないことだ。 大海(だけど…。まだ…死ねない。ミスルティにもレイにも、恩返しができていないし…。…智里を元の世界に戻してあげないといけない…。それには国レベルの情報網が要る…。) ミスルティには拾ってもらった恩を、レイには回復してくれた恩を返したい。文字通り、「命」を助けてもらったわけだから、どのぐらい返せばいいのか、なんてわかるはずもないが、それでも返したいと思っている。 智里は、来訪者の子どもで、戦闘能力なんてもちろん無いから、本来なら追放されるはずの子だ。それを、とあるきっかけで大海が面倒を見ている。来訪者の出身世界なんて同一じゃないだろうから、智里は大海とは違う世界の出身かもしれない。しかし、来訪者として面倒を見る側になった以上、智里を元の世界に戻すまでが「面倒を見る」ことだと思っていた。 元の世界に戻るための方法を模索するには、ミレナという国が持つ力は必要ということもあり、大海はミレナから離れられない。 大海(この3人が、俺が難民軍に行けない理由…。) 勝手な大海の思い込みだが、それこそ今、ミスルティがしがみついているのと同じような枷だと感じてしまう。本気で難民軍に行きたいなら、棄てても構わない感情だろうに、それができないのが大海で、それは見方によってはミレナに居る方が安泰だから、という甘えだろう。 ミスルティ『マスター、私って重いですか?』 大海『…重いな。』 いろんな意味で、と付け足すつもりで居たのに。 重いな、と言った瞬間にはミスルティが自力で立っていて、大海の腹部目掛けて大剣をフルスイングしていた。 …刃を立てず、寝かせていたので、「斬る」のではなく「叩く」感じだ。 大海『ぐぁっ。』 もっとも、斬ろうとしたところで、大海の鎧を切断する程の膂力はミスルティには無いのだが。それでも、普段の大海なら、この一撃にも耐えることもできただろう。踏ん張ることができたはずだ。 ただ、今日の大海は非常に疲れていて、堪えることができなかった。ドカッ、と吹き飛ばされて、無様に地面を転がる。 ミスルティ『え…。マ、マスター!?』 自分で思っていた以上に大海が酷い状況になったので、ミスルティは慌てて大海のところに駆け寄る。 流石に人目を引いてしまって、「痴話喧嘩か?」というような声もちらほらと聞こえたが、それに構っている心理的余裕は、今のミスルティに欠けていた。 大海『うぅ…。』 ミスルティ『どれだけ疲労困ぱいなんですか、マスター!』 そう言いながら、大海の肩を掴みながらミスルティは訊く。少し乱暴だが、そうでもしなければ大海の返事は得られないと判断したからで、実際、大海は乱暴でもそうされなければ、意志を繋げないほど疲れていた。 大海『一昨日から…、カイの奴とエリザベス・フォン・紫藤の刀剣展示を見に行ってから…。』 ミスルティ『…羨ましい。』 大海『へ?』 ミスルティ『…いえ、何も。』 大海は何ともないように言っていたが、エリザベス・フォン・紫藤と言えば、刀剣専用の鍛冶師としては珍しい女性でありながら、その腕はミレナでも屈指という人だ。 つい最近まではスレイヤー専用のものを作っていたのだが、今ではナイトやマーシナリーのものまで作成している。スレイヤー専任だった頃から需要は高いのだが、彼女は個人でやっているので、供給が追いつかない。小さい鍛冶屋ひとつで頑張っている所為だ。 そんな彼女の刀剣展示、というのも実は招待制であって、呼ばれた人の中から彼女が次に刀剣を作る相手を選んでいる、というのは有名な話だった。そんなわけで、彼女の刀剣展示に行く、というのはミスルティにとっては羨ましかった。 ミスルティも一度だけエリザベスの作った“刀”というものを見たことがあったが、あれは正に実用と美を兼ね備えたものだ、と素直に感激したぐらいだ。アレは、是非ともスレイヤーの正規装備品にしてもらいたいとも思う。 ただ、エリザベスはどうも気紛れな性格らしく、愁紀というスレイヤーに作ったらしい“断剣”なるものを見たときは、絶望に近いものを感じた。正直な感想は、『ナマクラな鉄板』であり、刀剣とは呼べない代物だったからで、スレイヤーの究極的な目標である一撃必殺を不可能なものにしていた。どれだけの技量や膂力を誇っても、斬鉄ができない欠陥品だったが、作成者であるエリザベスや所有者である愁紀曰く、「素晴らしいまでに使用者(俺)に合わせた芸術品」だと言う。それなのに、愁紀はその断剣をモンスター討伐にたまに使うぐらいで、対人戦や戦争には振るっていないのだから、ミスルティとしては「玩具か失敗作のどちらか」としか思っていないわけだが。 まぁ、刀剣展示に行くのが羨ましいのはそれだけではない。何せ、エリザベスという人は顔を表に出すことが少なく、せっかく作ったものさえ、彼女御用達の仲介人を通してしか販売しない。作るときでさえ排他的に過ごし、売るときでさえ人前に出てこないため、彼女は「顔を見せない鍛冶師」としても有名だからだ。一部では“シコメ”なのではないか、と噂をされるぐらいだったのだが、刀剣展示をするようになってからは、その場にだけは顔を出すようになっていた。刀剣展示に招待された人は自慢こそすれ、彼女については語ることがなかったため、ミスルティも気にしているところだ。できれば大海に彼女の詳しい容姿や言動などは訊きたいところだが、今のタイミングでは難しいな、とミスルティは話を進めてもらうことにした。 ミスルティ『どうぞ?』 話を続けてください、という意味である。 大海『エリザベスさんに名前を訊かれたから答えたら、何かもう凄い騒がれて、そのまま、俺の武器を作ってくれるって言うから…。彼女の鍛冶部屋に連れ込まれてから…えっと、まぁ、そんなことで今まで起きっぱなしだな。』 言ったことでどれだけ酷い状態なのか、自覚できたのだろう。 見る間に大海の顔色は青ざめてくる。 話を途中で切ったのも、後ろめたいことがあるわけではなく、話すことが面倒になったからだ。 ミスルティ『って、マスター。休みましょうよ…。』 大海『でも…。今夜は…ユーティーに剣を渡さないと…。』 そう言っている間にも、大海の頭は舟を漕ぐようにうつらうつらと揺れている。 ユーティーというのは、マーシナリーの特殊部隊、「戦鬼の徒」の隊長で、女性だ。 どういうわけか、彼女は自分で剣を購入したり選択せずに、大海に代理で買ってもらったものを受け取るようにしていた。 ミスルティ『私の前で他の女性の話ばかりとは…。マスター、嘆かわしいです。』 大海『…いや…。だってお前…。最近、ギルドに出向していて会わないじゃんか…。』 もう大海は目を閉じて会話していた。目を開ける、ということすら重労働なのだろうが、ちょっとおかしい光景だ。 目を閉じたまま、大海は息も殺し始めた。本格的に辛くなったので、身体の機能を弱めているのだということは、ミスルティにもわかったので、もう大海にはこのままでも寝てもらうほうがいいと判断できた。 ミスルティ『マスター、寝ても構いませんよ? 私がナイト宿舎まで運びますから。』 大海『…もう、いいや。』 女性に運ばれる、ということが世間体の問題で嫌だったが、大海は受け入れたかのように、口も閉じた。そしてそのまま、内臓の動きまでも鎮静化させる。一種の仮死状態だが、ヨガや瞑想でやるものと一緒で、そうした方が短時間でも充分な休憩を取ることができる。大海のこの技術は、数少ない“覚えていること”のひとつだ。 ミスルティ『ふっふっふ…。って、ちょっ…。』 沈んでいく、という自覚の中で、ミスルティの慌てた声が聞こえた。 ??『退いて…ミス…が…。』 ミスルティ『ふざけ…ずっと見ていたわけ…。』 ??『そう…タイミング……だから、…が…。』 ミスルティ『わからな…私の…権利執行…。』 ??『なら…身体に………。』 ミスルティ『望むと…加減…。』 大海(何、レイ…?) 聞き覚えのある声がミスルティと言い合っている、と思ったのも長続きしなかった。 あっという間に意識が沈み、大海は気絶するように眠りに入った。 ここでもう少し起きていたら、大海の次の寝覚めも良くなっていただろうに、大海は眠気に逆らわなかった。それが原因で、大海が目覚めたときには悲劇、いや喜劇かもしれないが、それが展開されることとなる。 …その話は別のときにでもしよう。 そんな3月5日のミレナでのヒトコマ。 ここから更新したんだよっ 大海が起きたときには、何故か、女性のマーシナリーであるユーティーが大海の部屋の椅子に座って眠っていた。 何事だろう、と思って部屋から出ようとしたところで、部屋の前にある廊下には力尽きたようにボロボロになった状態の女性スナイパーであるレイと、女性スレイヤーのミスルティが倒れこんでいた。 力量差がありすぎるから、レイがミスルティを圧倒できるはずなのに、両者ともに負傷度合いが似たり寄ったりだ。 大海『…何、これ?』 ミスルティとレイが居るのは昨日の曖昧な記憶には残っていたが、ユーティーが居ることだけは理解できない。呆然と、廊下に出るでもなく、部屋に戻るでもなく、微妙な位置で立ち尽くした。 大海(っていうか、何でナイトの宿舎なのに…。) レイはスナイパー、ミスルティはスレイヤー、ユーティーはマーシナリー。ナイト専用の宿舎である、この建物に入る権限が無い顔ぶれだ。隊長クラスであるユーティーなら、場合によっては、この宿舎に入ることはできるのだが、その場合とは有事のことだ。 有事で入ってきたなら、大海の部屋で寝ることは考えられない。 大海『…どうしろっての…。』 バタン、と隣の部屋のドアが開く音がした。確か隣は、この宿舎の管理人だったはずだ。 ニナ『…島袋大海。』 大海『は、はいぃぃっ!?』 一番会いたくなかった、宿舎の長であるニナ・フレウ・バスターフィールドが出てきたのだから、大海は声を裏返しながらも返事をする。 「何でさっさと自室に篭らなかったんだ」という自分への罵倒を胸に、だ。 ニナ『…。貴様、後で“それ”の説明をしてもらうぞ。』 転がっているレイとミスルティを見ながら、冷たい声と表情でニナが告げる。 2人とも、この宿舎に居ること自体が問題なのだが、戦闘でもしたかのように見えることが余計に深刻だった。 宿舎内で私闘は、禁止事項のひとつである。 大海『あ、は、はい…。』 いそいそと大海は部屋に下がった。もちろん、ミスルティもレイも廊下に放置する。 そして急いでドアを閉じる。ニナの言動から、まだユーティーが居ることはバレてないと確信できたからだ。 ユーティー『くっくっく、大変だな、汝れ。』 大海『…全くだ。』 口調がはっきりしているから、ちょっと前からは起きていたのだろう。ユーティーが笑いを堪えながら声をかけてきた。 ユーティー『…あぁ。我なら、汝れから剣の引き渡しがあるということで、許可は得ている。ニナは我が居ることを承知しているからな?』 えらく芝居がかった言葉遣いをしているが、それさえ直れば、軍でなくてもやっていけると大海はユーティーを評価していた。 外見は美人だろう。黒髪で、膝近くまで達する長髪。細身の長身は猫を思わせた。マーシナリーとしての腕は男性もかくや、というレベルだったし、戦果も凄まじい。楽器にも明るければ、声楽でも学んでいたのか歌も上手だった。マーシナリーの鎧からはあまりわからないかもしれないが、かなり強くさらしを巻かないと鎧が着れないぐらいに胸はあったし、本人は鎧を着用する度にそのことで愚痴を漏らしていた。 ただ、顔付きは性格でも出たのだろうか、切れ長の目に代表されるように、綺麗な作りをしていても、温かみを感じるのは少し難しく、どこか鋭かった。 クールビューティーと評しても構わないだろう。 そのユーティーなら、来訪者だからと言って軍に入らなくても、ミレナの貴族に、あるいは王族に気に入られることは難しくないと思えた。そうして結婚できれば、来訪者して元の世界に戻ることが不可能になるかもしれないが、ミレナという国で戦闘という危険に晒されることもなく、安泰に暮らせただろう。 …言葉遣いさえ、まともなものになれば、そんな道も選べるのに。その思いがあるから、大海はユーティーに言葉遣いを直すように言うのだが、ユーティーは聞いてくれない。 大海『えー…。本当? どうしよう…。っていうか、どうしてくれるんだよ!』 ユーティー『して、我の剣は?』 大海の抗議は無視して、ユーティーは自分の用件だけを伝えてくる。 あまり得物に頓着しないユーティーは、大海に自分用の剣を選んでもらっていた。来訪者でありながら、マーシナリーの特殊部隊隊長を務めるユーティーなら、自分の剣を特注する権利だって持っているのだが、その権利を使うこともなく、ユーティーは大海に剣を購入することを頼んでいた。 そのことから、ユーティーと大海が親しい関係にあるのではないか、と推測する人間も居るが、事実はそうではない。 理由は単純で、ユーティーと大海が他数名とモンスターハントをしていたとき、ユーティーが剣を2,3本もダメにした上で、他人から剣を借りてハントをしていたからだ。剣をダメにするペースが酷く早かったので、ユーティーの剣の強度を気にした大海が調べさせてもらったのだ。そうすると、ユーティーは安物の剣を購入していて、自分の腕に見合ったものを買っていなかった。そこで、大海がユーティーに見合う剣を購入すると言ってしまったのが運の尽きだった。 強打癖とでも言うのか、ユーティーはどれだけ強度を誇る剣を与えても、2,3回の戦闘でダメにしてしまう。 おかげで、ユーティーは大海の元に2,3日に1回というペースで大海に会うことになっていた。 大海『うん…。これ。』 床に置いてあった1ダースもの本数のある剣から、2本をユーティーに渡す。 ユーティー『ふむ。…助かるな。』 大海『いいけどね…。』 ユーティー『アテにしているぞ、大海?』 そう言って、大海が示した金額を、ユーティーは剣の代金として手渡した。 大海『今度は自分で買ってよね…。』 ユーティー『そう連れないことを言わないで欲しいものだな。我は汝れと会うこと、楽しみにしているのだが?』 こういうことを外でも言うから、俺なんかを恋人にしているんじゃないかって誤解されるんだ。そう大海は思うが、もちろん口にはしない。 口にするのは、違うことだ。 大海『そうやってからかうのはやめてください。本気で受け取ってしまって、剣以外にもケーキと紅茶まで準備したくなりますからね。』 言い返したぞ、と思うときには、もうユーティーはレイとミスルティを跨いで廊下に出ていた。 ユーティー『ふん? まぁ、そういうことにしておいてやろう。』 わざわざ振り向いて、あまり見せない笑顔で言ってくるのだからたまったものではない。 美人なのに、綺麗な笑顔ではなく、可愛く見えてしまう笑顔で来るのだ。こんな笑顔は、初めて見た。 ユーティー『ふん、こういうのが好みか。』 その直後にこのセリフだ。 大海『な!?』 ユーティー『からかっただけだ。また頼む。』 そう言うと、ユーティーは行ってしまう。 大海『…。はぁ…。疲れた…。』 レイとミスルティが起きるまでは、ニナのところに行かなくていいか。そう結論付けて、大海はまたベッドに倒れこんだ。 そんな3月6日のミレナでのヒトコマ。